5年生「雪の学校」NO.7(2018年度)

2019年1月28日

最終日、朝食を食べてから集合します。松代地区、松之山地区と大きく2つの地区に民泊にでかけています。お別れ会も、2つの会場に分かれ、行われます。担任や引率の教員は、一足早く集合場所に集まって子どもたちを待ちました。

子どもたちは、集合場所へ明るい表情で帰ってきました。充実した時間を過ごすことができたのでしょう。また、民泊先の方々との関係も、ずいぶん深いものになったようです。集合場所へ送ってくださった車から降りてくるときの子どもたちの表情。各家庭の前にバスのお迎えがくる際の別れの言葉。距離が近くなった分、寂しさは一層感じたはずです。

お別れ会では、一泊という短い時間でしたが、一緒に過ごしてくださった皆さんへ心からのお礼を伝えます。

「約一日とめてくださり、本当にありがとうございました。この一日で私たちは、食の大切さや雪国での生活をたくさん学びました。私たちの班では、『自給自足』を教えてもらいました。にんじんや大根など、自分の家で育てて、ご飯で食べさせてもらいました。ですが、この雪で育てていた大根などがうもれてしまい、大変なんだそうです。それを乗りこえてとてもおいしい野菜をそだてられるなんてすごいと思います。自分は、苦手なにんじんをたくさん食べられました。
雪国を見てみると、屋根から雪が落ちそうで最初はこわかったけど、かまくらやソリ場を作っているとそっちに気がいって、屋根のことより楽しいことの方がたくさんありました。神奈川県だと雪が全く降らないから、つらさがわかりませんでしたけど、この一日で雪国の大変さがよくわかりました。
この寒い冬だからこそ、こんなにあたたかくむかえてくれるんだなと感じました。来年も私たちの後輩を、このあたたかい人がいる松之山にとめてあげてください。」

代表の子どもより、正直な思いが話されました。それに応えるよう民泊先の方々より、言葉をいただきました。

「皆さんが来るということではりきって準備をしました。12月くらいから大きなかまくらを作ろうと、用意し始めました。なかなか雪が降らないので、焦る気持ちもありましたが、少しずつ積もっていきました。体力が落ちて思ったように大きいのは作れなかったけど、皆さんをむかえることができました。楽しそうに遊んでくれている様子は、新しい孫ができたようです。その微笑みをずっともっていてほしいと思いました。
今は、雪が深くてがまんの時期です。春を待つ気持ちが強く、雪が解けたら農作業をがんばりたいなと思っています。『耐えて耐えてがんばる』そういう気持ちを学んでもらえたら良いです。そして、ここを第二のふるさとだと思ってもらえたら嬉しいです。また来てくださいね」

あたたかみのある声で静かに語られました。そして、優しい表情。十日町の方々のあたたかさに感動するとともに、言葉にできないくらいの感謝の気持ちを持ちました。そして、子どもたちからも合唱のプレゼント。

「この寒い冬だからこそ、こんなにあたたかくむかえてくれるんだなと感じました」
つらい自然環境と折り合いをつける中で心が育まれる。そのような生活を過ごす人々のあたたかさ。子どもたちは、学んだことでしょう。今回の出会いの喜びを胸に留め、自分自身は何ができるか、少しずつ考えていってほしいと思います。