1年生 研究授業「へいわってなに?」

2013年11月25日

 11月22日(金) 2校時目に、1年かわせみ組の研究授業を行いました。平和教育という難しい課題でした。何をきっかけにして「平和教育」に子どもたちの生活をつなげていくことができるか、それを大きな課題として授業を行いました。
 
 平和と対峙するものは何か。平和と自分の生活に近づけるためにはどうしたらよいか。その問題をつなげていく鍵として、平和を脅かすものを知ることが課題解決の糸口になると考え、自分たちの生活を振り返りながら授業を進めることにしました。1学期の蚕やザリガニの死には自分たちが関わっていたこと。畑で育てたキュウリやトマトが外敵食べられてしまったこと。また、収穫時期を逃してしまったことは自分たちに責任があること。2学期のサツマイモの不作には自分たちの知識不足が関係していること。そういった今までの小学校生活の中で起こった出来事を例に展開していきました。

 次に、藤沢の龍口寺のいちょうの木の写真を二枚提示しました。一枚目は3年前に撮影した黄色く色づいている写真。二枚目は今年撮影した葉が枯れて無くなっている写真。いずれも時期は同じですが、なぜこのようなことが起きているかを考えました。実はこのいちょうの木は、度重なる台風(地球温暖化)と強風による塩害によって葉が枯れ落ちてしまったのです。子どもたちは自然界の脅威の中には人間の影響によってもたらされるものが身近にあることを知りました。

 さらに、沖縄のサンゴの写真を二枚提示しました。一枚目は元気なサンゴの写真。二枚目は白化現象により死んでしまったサンゴの写真。いちょうの写真と同様に、なぜこのようなことが起きているかを考え、平和な海の中の様子とは一体どのようなものかを話し合いました。

「魚がたくさん泳いでいる海」
「自由な海」
「いつでもどこにでも行ける海」
「みんな仲良し」

子どもたちからはたくさんの意見が出ました。

 子どもたちは、ここまでの学習で平和と対峙するものがあることは分かってきたようです。たいいく表現まつりをきっかけに学習してきた「沖縄」をテーマに取り上げることで、より関心を持って平和について考えることができると考えました。

 今日の授業は、サンゴの写真を見て考えた“魚にとって平和な海”を振り返りながら始まりました。そして、“自分にとっての平和”を考え、意見を出し合いました。

「ごはんが食べられる」
「友だちができる」
「やりたいことができる」
「友だちと会える」
「じゆう」
「寝られる」

1年生らしい無邪気な回答の中に、物事の本質をついた回答も垣間見れます。また、友だちの意見を聞きながら自分の考えを言えていたところは成長を感じずにはいられません。



 さらに沖縄の小学1年生の男の子が書いた作文(詩)を朗読している映像を流しました。数分の映像でしたが、教室の中はしっとりとした空気に包まれました。見終わった後に、自分たちが出し合った平和とどう違うのかを比べ合いました。かわせみの子どもたちも共感できるところがたくさんあったようです。授業の終わりには“自分たちにできること”を出し合いました。
 
 子どもたちは、今回の学習を通して自然環境は自分自身とどこかでつながっており、当たり前のことが当たり前にできることが平和のひとつであることを感じて取ったのではないでしょうか。