6年 SDGs パート5

2020年3月23日

6年生 「総合」 SDGs パート5

 

今年度の6年生は、SDGsに取り組んできました。

新型コロナウイルスによって、学習の最終目標である「発信」まで到達することはできませんでしたが、

とても充実した、様々な視野で世界問題を考えることができた学習となりました。

本日は、3学期に取り組んだ、SDGs学習。「世界」へ目を向けた部分をお伝えします。

 

3学期は、Case Studyをやっていこうと思います。Case Studyとは、1つの事例をもとに、問題点や課題を検討し、自分達の決断にいかしていくためにするものです。今回は、冬休み中に調べてきた中にもあった2010年のDataで、プラスチックゴミ発生量が年間48~129万トンで世界第2位のインドネシアについてCase Studyしていきました。それは、我々が生活しているこの「湘南」という土地は、豊かな海に恵まれ、観光産業としても栄えている部分が、インドネシアの「バリ島」が抱える課題と対比することが出来るからです。2020年は、江の島にオリンピックがやってきます。ここ「湘南」というブランドを、世界に誇りを持ってアピールでき、世界中の人たちを“おもてなし”できるよう、バリ島のCaseを考えていきました。

そこで、まずは、インドネシアについて、さらに、バリ島のことを少し調べてみました。人口や文化、宗教、時差など。

「テレマカシ」これは、バリ語で「ありがとう」ということです。ちょっとした知識を入れることで、身近な存在に感じました。

 

それから、次の授業の中で、今回のプロジェクトの目玉が登場。

「今日は、スペシャルゲストを呼んでいます!」と伝え、教室の外へ。誰もいません。

そして教室のモニターへ。実は、バリ島でツアーガイドをしている「バリ倶楽部」の篠沢佐助さんのご協力で、

教室とバリ島を、Googleハングアウトで繋いで、ライブ授業を行いました。

子ども達は興奮。

 

・CSRとして「YEH Baliイェバリ」を立ち上げた。

・バリ島は素晴らしい楽園。でも、それを邪魔しているのがゴミ問題。その問題を解決するために、

バリ倶楽部として、NPO「ゼロプラスチックレンボンガン」のカルメンさんの協力の下、「YEH Baliイェバリ」を立ち上げた。

・レンボンガン島では、1日に5000kgのゴミが出ている。つまり5000kg×365日=1825000kg

・しかも、処理施設がない。島の半分はゴミが捨てられている。

・レンボンガン島の高校生達は日本をとてもキレイだと思っている。

⇒日本の子ども達は、キレイだとは思っていない。高校生と意識的な差がある。

などの話を聞き、レンボンガン島をCase Studyとして、「ゴミ問題」を一緒に考えないか?と提案してもらい、次回、

レンボンガン島の高校1年生と意見交流をすることになりました。

 

いよいよ、当日。質問をし合いながら情報を共有しました。

・日本の授業は難しいか?授業時間は?日本は、高校生と同じ時間、勉強をしている。

・レンボンガン島の高校生達はレンボンガン島を美しいと思っている。

・インドネシア風チャーハン(ナシゴレン)が好き。

・日本のイメージは家電製品やバイクなど技術が進んでいる国。バイクは日本製が多い。

・レンボンガン島では、RPGゲームが流行っている。ポケモン人気。

・日本はどのようにゴミを処理しているのかを質問される。ゴミ処理について説明。

・レンボンガン島ではマングローブが被害に遭っている。ゴミ捨て場の周りのマングローブが枯れる。

・レンボンガン島では、大通りに面している人は道ばたにゴミを出していると、トラックが早朝5時

に回収し、焼却。その他は自分で直接ゴミ捨て場に持って行く。

・日本はキレイなイメージ。日本人としてはキレイだと思っていない。ポイ捨てが多い。レンボンガン。

でも、同じような状況がある。

・レンボンガン:[ゴミをゴミ箱に捨てる・レジ袋を禁止・プラスチックをできるだけ使わない・エコバック、ボトルを使用]

日本:[マイバック・分別・リサイクル・ポイ捨てしない・むず遣いしない・ビーチクリーン・ゴミ拾い

質問や課題が出たところで、「プラスティックゴミ」を減らすために、自分たちがするだけでは足りない。「誰に、何を、どうアピールすればいいか」の方法を考える、ということを共通理解しました。

日本の子達は「日本をきれいだと思っていない」。科学技術が進歩し、プラスチックはどんどん便利になる。表向きはキレイに見えるけど、裏では汚い。それは、バリ島での文化としてゴミを川に捨てている文化が今も残り、捨てているように、文化や法整備をしないと、きっとよくならない。だからこそ、未来を創る子ども達が、未来を守るために活動する!という意識を持つことが出来ました。

 

以下、交流を通しての感想です。

 

・レンボンガン島の人たちと夢のコラボが実現し、本格的に世界のゴミ問題について他国の学校と一緒

に取り組むようになった。はやっているゲームや好きな食べ物など色々とレンボンガン島の人たちと

話し合えて楽しかった。

・今回、交流することが出来て本当に良かった!お互いのことやプラスチックのこと、私が一番すごいと思ったのはレジ袋の禁止!これはとってもいい案だと思いました。日本でも時々街中ではコンビニの袋が転がっていることがあります。それを減らしていくためには、日本でも負けずにいろんなことにチャレンジしてみたいです。

・やっぱり高校生でも外国の人はみんな日本はきれいで住みやすいと思っていることに一番驚いた。日本はきたないです、って言ったら唖然としていたのも笑った。でも、自分も最初はバリ島なんて絶対にきれいだと思っていたから、いかに自分の国しか見えていないかが分かった。外国のことも気にしながらSDGsを勉強していきたい。

・レンボンガン島から湘南まで遠いけど通話が出来るのはすごい。レンボンガン島には急いでゴミ処理場を作るべきだと思う。言語が違くても考えていることは一緒なんだと思った。きれいなマングローブがゴミで被害を受けているのはよくないと思う。

・感じたこと。まず、どこに国の人でも照れるんだなぁ~と思った。人前でしゃべった後、私顔真っ赤だったし。あとは優しい。日本にマングローブがないから分からないけど、マングローブとマングローブの間でゴミを燃やすのは、普通に良くないと思う。ゴミを処理する施設は必要だと考えた。

・ものすごい数のゴミを処理したい気持ちが分かった。レンボンガン島の学生達は明るく話してくれていい気分だった。日本のことを「きれい」と言ってくれてうれしかった。一番ゴミで被害があるのがマングローブの森だと聞いて驚いた。

・ビデオ通話をしていろんなことが分かった。まず1つが国の中にいる人と違う国の中にいる人では、感じ方が違っていることを知りました。2つ目は、ちゃんと国を大切にしようという思いが、日本と同じ思いだったことが分かりました。一人の力でゴミ問題はちょっとしか直らないけど、佐助さんと手を組んでいけば大きな事も直る気がしました。

・レンボンガン島にも制服があるんだと思った。私は高校生達から「マングローブの木が枯れ始めている。」と聞いた時、とてもショックを受けた。あんな美しい場所がなくなってはならぬ!と思ったので、何がいい解決法がないかと考えたい。

・レンボンガン島はレジ袋を使用禁止としていると聞いて、ビックリしました。日本もレジ袋有料化するだけではなく、使用禁止にするべきだと思う。

・他の国のことをキレイと思っているからこそゴミが減らないと思いました。例えば、外国の人の方が、「日本はきれいだからちょっとぐらい捨てても大丈夫でしょ。」と思っちゃうからだと思います。レンボンガン島の人たちは、ちゃんとゴミのことに向き合って頑張っているなと感じました。

・レンボンガン島の生徒達は日本をきれいだと感じたと言っていました。逆にこっちが「きょとん。」としてしまいました。なぜなら、日本はポイ捨てをする人たちがいるから比較的きたないと思っています。レンボンガン島の人たちは、レンボンガンのゴミの状況を知りながら、これ以上ゴミを増やさないいろんな工夫をしていてすごいと感心して、もっと見習わないといけないと思った。

・えー。レンボンガン島ではゴミ袋を禁止していてすごいなーと思いました。エコバックとかもドンドン使って欲しい。あと、朝の5時にはちょっと早すぎたと思いました。

・今日、交流して感じたことはバリの人たちも日本の人たちもちゃんと地球環境のことをしっかり考えて取り組もうとしているのがいいなと感じた。だからこれからも地球のことを考えたいなと思った。

・やはり私たちだけでは大きな変化は出来ないと思いました。私たちとレンボンガンの高校生達とで協力をして国民一人ひとりがSDGsに関心を示してもらえるような事をしないとこの問題は、解決できないと感じました。

 

レンボンガン島の高校生と交流して、人種や社会、住んでいるところは違っても、同じ海でつながり、同じ問題意識を持ち、同じように解決させていきたいということを学びました。そして、一緒になら解決していくことができるかもしれないという可能性も感じました。

 

それから、バリ島で実際に活動した、メラティー・イザベルのTEDをみて、自分達にも何かできないか考えました。

【誰に伝えれば良いか】

小泉環境大臣・地域の人(住んでいる市民、学生、お店、サーファー、ビーチクリーンしている人)

企業・藤沢市長・藤沢市議会・県・ゴミを捨てる人・社会に影響がある人

 

【アピール方法】

YouTube・駅でのアピール、呼びかけ・ポスター、チラシ(公共の場所、病院の待合所、電柱)・

アナウンスを流してもらう・看板を背負う・宣伝カー・藤沢市HPから請願メールを送る・TV局

SNS・誰かにえらくなってもらう

 

そして、これから実際に、どれかの「発信」をしようとしたときに、コロナの影響で休校になりました。

とても残念でしたが、この学習で行ったことは、きっとこれからの彼らの人生に、しっかりと根付いていくものだと思います。

 

今回、6年生として、SDGsをテーマに学習を行ってきましたが、「小学生でも世界を変えることができる!」という

感覚を持てたことはとても大きなことだと思います。

世界中で問題があり、それを知恵を絞って、解決策を見出していく。

これこそが、未来を切り拓く力となっていくのではないでしょうか。

彼らの未来の活躍を楽しみにして、今年度の「6年生総合」を終えようと思います。