稲作-相原農縁で学ぶ-其の弐

2021年6月15日

 「こんな所に田んぼがあるのんだ?」
 相原農場の田んぼに到着したほとんどの人が、そう思ったに違いないでしょう。相原さんの田んぼや畑は、住宅や小さな工場が建ち並ぶ所にあります。実際、僕も初めて訪れたときは同じ感想を持ち、相原さんに言ったことがあります。
 すると相原さんは、阪神淡路大震災を振り返りながら、「僕がこの地を離れないで農業をしている理由は二つあって、ひとつは代々受け継いでいるということ。もうひとつは、ここが何らかの被災地になったときに、近所の人たちに食べ物を配ることができるからです。」こんなことを平然と言うのです。僕は「この人には敵わない」そう思いました。
 何よりも僕が相原さんに惹かれ、「この人と仕事がしたい。」、「子どもたちに会わせたい。」と思った言葉があります。

 「農業は僕の生き方なんです。」
 相原さんの手を見ればすぐに理解できます。

 5年生が田植えから帰ってきました。
 ぼくは、田植えをしていろんなことが分かりました。なえの植え方や田に虫がいっぱいいる理由なども、田んぼに行ったから分かることもありました。お米を手で作っているので食べてみたいと思いました。草取りもたのしみです。
 男の子の感想です。行ったからこそ分かったこと、まさに体験からくる “生きた学び” です。他の5年生も口々に言っていたのは生きもののことです。
 相原農場は無農薬でお米や野菜を育てているので、生きものの住処としては最高の場所です。
 大学の研究者も来て観察をするほど生態系が豊かです。
 「有機農法は人に支えられている。」とも相原さんは語ります。
 田んぼと畑の近くには、こんな小さな看板が立っています。

 『相原農縁』