はじめての絵の具

2021年6月11日

絵画室の前を通ると、水を打ったように静かでした。
不思議に思い中を覗くと、1年生が初めての絵の具にチャレンジしていました。
僕が教室に入っても気がつかないくらい集中しています。
パレットには自分の好きな色が数色出されています。
これをチューブから加減よく出すのがなかなか難しいのです。
一度に全部出してしまうこともまれにあり、そんなときは思わず天を仰いでしまいます。
筆に水を含ませます。学年が進めば表現に合わせて加減できるようになりますが、これもまた難しいところです。
絵の具を溶いたら、画用紙に動物の足跡を付けるように筆を置きます。太い筆から細い筆へと色を変えながら、絵の具の使い方を学びます。

大人になると真っ白な画用紙に向き合って最初の色を置くときは、失敗しないようにと慎重になってしまうことがあります。
しかし、1年生はまったく持って潔く、ちょんちょんちょんと気持ち良さそうに絵の具を置いていきます。その潔さが無垢な絵を生むことにつながるのだろうなと思います。

一通り終えると、「見て、見て、見て!」とみんなから声が掛かってきました。画用紙にたくさんの足跡が付きました。
まさに、「はじめての絵の具」の “最初の一歩” が記されています。   
僕は絵を描くの好きなので、自分にも今日の1年生のような「はじめての絵の具」の日があったかと思うと、いにしえを感じます。
これから、子どもたちの手からたくさんの水彩画が生まれることでしょう。