藤沢めだかの学校

2021年6月8日

 小学校時代の下校途中の寄り道で、里山で過ごしたことが愉快な思い出のひとつです。
 だから、身近にたくさんの生きものを感じながら毎日を過ごしました。
 田んぼには蛍がいて、雑木林にはクワガタがいて、今では全く見なくなった玉虫がランドセルに付いているなんてよくある事でした。小川を覗けばめだかが当たり前のように泳いでいました。
 自分が大人に近づくにつれ、それらの生きものに興味がなくなっていきました。そして気付いたときには、彼等は見たくても見ることが難しい貴重なものになっていました。ただ、今でもふと懐かしくなり、小川を見つけるとめだかの姿を探してしまいます。

 小学校の学びの森の池には「藤沢めだか」がいます。
 昨年度の『校長日記』でも記しましたが、「藤沢めだか」とは藤沢では絶滅したと思われためだかが、1996年に鵠沼の個人宅庭池で生き残っていたことが始まりです。その後の調査の結果、このめだかが境川水系で独自の進化を遂げためだかの一種であることが分かり、「藤沢めだか」と命名されました。以降、藤沢の各所で保護・繁殖に取り組んでいます。

 湘南学園小学校では、2002年に「藤沢めだか」を譲り受けました。
 昨年度は、学校の水槽の水草に産み付けられた卵を丁寧に取って孵化させ育てました。それを2年生の手で、学びの森の池に放流しました。今年度はエコスクール委員会もそれを担っています。誰でも卵が観察できるようにと顕微鏡がセットされています。委員長のKさんは「まずは100匹に増やすことが目標です。」とはっきり答えてくれました。この活動は4年生にも広がりを見せています。

 またいつの日か、近所の小川で賑やかなめだかの学校を見たいものです。