伝承

2021年9月22日

 たいいく表現まつりの民舞の練習が盛り上がりを見せています。
 民舞の発表は今年で節目の30年を迎えます。
 朝のピロティでも自主練習をしている姿があります。
 5年生が『御神楽』を踊っています。扇と錫杖の動きを見て、登校してきた2年生が「楽しそうだなあ。」と言ったきり、しばらくその場から動きませんでした。
 教室からグラウンドへ出ようとした6年生が足を止めました。「去年と動きが違う!」と驚いていました。昨年度に『御神楽』を踊った経験があるからこその気付きです。

 9月から転入してきた5年生の女の子が、6年生の『湘南ソーラン』の音楽に合わせて、色々な学年の子が踊っているのを見て、「何で他の学年の人もできるの?(踊れるの?)」と目を丸くしていました。「1年生の頃からずっと6年生の踊りを見ているから、自然とみんな覚えちゃうんだよ。」と答えると、「へえ~。」と感心していました。
 一言で表すと、それが湘南学園小学校の民舞なのです。
 子どもたちから子どもたちへ。
 前々回の校長日記で、5年生と6年生の担任の先生が言っていた「伝承」がまさにそれです。

 特に『御神楽』は30年前の最初の民舞の発表以来、唯一一度も途切れることなく踊り続けられてきたものです。つまり、『御神楽』は湘南学園小学校のたいいく表現まつりの「表現の部」の歴史そのものなのです。僕の教員人生としてのスタートは、湘南学園小学校の体育の講師でした。そのとき、最初に子どもたちに教えた、というより一緒に踊ったのが『御神楽』でした。ですから、個人的には一番思い入れのある踊りです。今年打ち鳴らされる太鼓の音は30年前と同じ太鼓から響くものです。歴代の体育の先生と教え子たちが伝承してくれた民舞を、校長となって見届けられる幸せはこの上ありません。