随所作主

2021年12月17日

 今日で2学期が終業します。変わらずコロナの影響はありましたが、たいいく表現まつり、音楽会といった大きな行事を実施し、延期されていた修学旅行にも行くことができました。
 1年も終わりに近づき、修学旅行で訪れた大徳寺塔頭大仙院の住職の言葉を思い出しました。住職は子どもたちへ「随所作主」という禅の言葉を用いて、「どこへ行ってもあなた自身が主人公だ」と投げ掛けてくれました。そして、与えられた場所で、いつも自分が主体となって、精一杯、自分を尽くしていくことを諭してくれました。どんな時も、「今ここで頑張らずに、いつどこで頑張る」という気概を持って真正面から取り組み、物事に対して“勝手にできる自分”をつくってほしいとの願いも伝えてくれました。常に自分で自分を止めることなく、うまずたゆまず努力しなさいということでしょう。
 千利休も眺め入ったであろう大徳寺の庭園に沙羅双樹がありました。

 祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者も遂にはほろびぬ、偏ひとへに風の前の塵におなじ。

 『平家物語』の冒頭です。無常を見つめることで人生で本当にすべきことが見えてくる、物語からはそんなメッセージが伝わってきます。人生で本当にすべきことは何か・・・教師として子どもたちにすべきことは何か・・・それはやはり、「生きるって素晴らしい」と伝えることだと思うのです。残すところ2週間で今年も終わろうとしています。湘南学園小学校は、これからも「随所作主」の言葉の通り、環境や境遇に左右されずに、自分の意志と判断で行動しようとする姿勢を持って生きる子どもを育みます。
 ※「小学校だより№14」を一部改編