卒業アルバムとチューリップ

2022年3月4日

 6年生が卒業アルバムの制作をしています。『松ぼっくり』の作文に没入している姿とは対象的に、グループでページを書いたりと楽しみながら作っている様子を見受けました。
 僕は小学6年生のときに、卒業アルバムを制作するための「卒アル委員」なる中心的なメンバーになりました。恩師である担任のH先生は、僕ら以上に卒業アルバムに対する思いが強く、放課後だけではなく土曜日の授業が終わった後の午後も作業しました。土曜日はH先生が自腹でパンをごちそうしてくれました。自分たちで描いた絵が表紙と裏表紙になり、文集は何度も書き直しをしました。おかげで思い出深いいい卒業アルバムができました。
 実は湘南学園小学校で依頼している卒業アルバムの制作会社は、僕が「卒アル委員」として作ったときと同じ会社なのです。僕が校長になり、制作会社の社長と話す機会がありました。当時の話をしたところ、何とH先生のことを鮮明に覚えていました。社長が新人のときにH先生とアルバムを作り、たくさん鍛えてもらったと話されていました。学校を移動しても社長を指名してきたそうです。そのあたりは、人のつながりを大切にしてきた恩師らしい話です。何とも不思議な縁に驚いてしまいました。今年度の6年生は僕が担任をした子たちです。校長となり、同じ卒業アルバムに載ることができてとても幸せです。


 小学校の正門から出た左手にはレモンイエローのアブラナの花が咲き、ピロティのプランターには色とりどりのパンジーが咲き、チューリップの芽も伸びてきました。特にチューリップは日に日に伸びているのが分かります。昨年の4月に咲き終わったチューリップの球根を、校舎の裏に土ごと投げておいたものがあります。次の春に芽を出して欲しいという淡い期待を持ちながら・・・
 すると、2月も終わりになる頃、小さな芽が出ているのを見つけました。最高気温が上がるタイミングに合わせるかのように、次から次へと今では30個の芽が出てきました。このことを知っている2年生のUさんと6年生のYくんとで、毎日水をあげながら観察しています。「Yくんが卒業するまでにチューリップが咲くといいね。」と話しています。チューリップの花言葉は「思いやり」です。卒業式まであと14日となりました。