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校長日記

パラリンピックの特別授業 ~清水一二さん来園~

2018年9月26日

 2020年の東京パラリンピックまで、昨日であと2年を切りました。
今日は2年生の特別授業の日で、30年以上パラスポーツの写真を撮り続けているカメラマン・清水一二(かずじ)さんを湘南学園小学校に招き、子どもたちにパラスポーツについて知ってもらうことがねらいでした。 一二さんの来園は2度目ですが、前回は授業に参加できなかったので、本日はとにかく楽しみにしていました。「生で見れば間違いなく興味を持つことができるし」東京大会の盛り上がりにもつながると言う一二さん。自ら選んだ写真とともに、五輪では得られないパラの魅力と苦労話(秘密の話)を語ってくださいました。

【1】前知識なしから
1994年リレハンメル大会でパラリンピックに初参加した清水さん。パラスポーツを専門に撮影するようになったのは大学卒業後に勤務した神奈川リハビリテーションセンター(七沢)に勤めたことでの出会いがきっかけとのこと。センターの車椅子の職員から、「アーチェリーをやっている写真を撮ってほしい」と頼まれたそうです。その時「一人前の写真家になれ」と車いすの人たちが清水さんを逆に励ましてくれたそうです。
この世界のことを全く前知識なしで、車いすバスケを撮ることになったのですが、驚きの連続。高校時代、車が好きでレースの写真を撮っていたのですが、車いすの車輪がレースカーのタイヤと同じように見えたと言います。しかし、リレハンメル大会でアジアからカメラマンとして参加したのは清水さん1人だけ。その後足を運んだ国際大会でも、パラスポーツに対する日本の理解の遅れを感じざるを得なかったそうです。
海外のパラ陸上ではスタジアムがいっぱいになるのに、日本では正直言って現在もスポンサーなどが観客の動員をかけています。それでも席が埋まらない。車椅子バスケは漫画「リアル」で知名度が上がりましたが、どんな形でもいいから知ってもらうことが重要なんですと語ります。

【2】「怖い」感覚
  パラスポーツ「ならでは」の魅力、それはアスリートたちの「出発点の違い」と、さらに「恐怖心と戦う姿」と言います。パラの場合は生まれつき障害があった人もいれば、事故等である時突然、障害を持った人もいます。50歳から競技を始めて60歳でメダルを取った人も。五輪以上に、選手たちにドラマが詰まっているから「キラリ感」があると…。あと、健常者の人たちはトレーニングや競技中に「苦しい」「つらい」と言うのはあるかと思いますが、それに加えて障害者には「怖い」という感覚が加わるということ。例えば、盲目の人は前に何があるかわからないのに、胸を張って踏み出さないといけない。その真剣勝負が感動につながると思うとのことです。

 東京大会は前回のリオと異なり、競技場が分散していることから、「はしご観戦」が難しくなっている。だからこそ、この2年の間に自分が興味あるパラスポーツを見つけて、開催時には足を運んでほしい。私も多くの観客をバックに写真を撮りたいですからと、語ってくださいました。

【3】陸上では
  脚部の欠損者がつける陸上競技用の義足を見たことのある人が多いかと思いますが、レースで走るときに、どのような音がするか知っている人は少ないのではないでしょうか。「パタパタ」と言う音がするんです。競技場に行くと、そんな音が聞こえてきますし、念入りに様子を確認しながら用具を装着し、集中していく過程を見ることができます。これは、テレビ観戦ではわからないこと。このことは、陸上の高桑さき選手も本校に来園した1年半前に話していました。
 
【4】清水一二(かずじ)さんが伝えたいこと
①障害者は身近な存在であるから、パラリンピックを普通に応援してほしいので、まずは写真を見て感じてほしい。
②2年生が、障害者の写真を見ることで、相当なショックはあると思うが、一つのきっかけになればいい。身近に障害者はいるということ。知っているか、知っていないかでは違う。写真から訴えたい。
③ 一つの大会で4000枚とって、いい写真が1枚あればいいところ。
④今日家に帰ったら、親に話してほしい。お父さん・お母さんが何というか? そこから会話になればよい。

【5】2年生への授業の中でわかったこと
・冬の競技についても伝え、平均して応援してあげたい。
・ガイドは、マイクが付いていて、誘導する人。
・カメラマンには、見えない人のために、シャッターの音が聞こえないようにと指示が入る。
・冬の競技として怪我をして1本脚の人の写真が出てきますが、写真の中に「旗を入れる」ことが原則。
・平昌(ピョンチャン)の時も1秒間に6コマから8コマ撮ったが、いい写真が当たらない場合もある。
・「チェアースキー」とは、歩けない人のソリ。凄いスピードで走ってくる人のゼッケンが見えれば、何の大会かがわかる。
・「ホッケー」は全く同じルール。長野にサッカーチームがある。「は」を狭くすると速く走れるが、転びやすい。特別に注文する。ストックにギザギザが付いているので、たたくのか?滑るのか?ホッケーの人たちは考えて今に至る。ぶつかり合っている写真もある。
・「カーリング」は、どこに石を入れたいのか? 考える・投げる人と掃く人がいるが、障害者がやる場合は、後ろに支える人が必要。
・「冬の競技」としての「クロスカントリー」。ガイドが付いているのはなぜでしょうか?「目が見えていないから」
・全員足がありません。膝はとても大切で、膝があるクラス、膝がないクラス、目の見えないクラスに分かれています。今は、全員目が見えないクラスにしてあります。

「カメラマンにとっては、とっても怖い競技です」と清水さんが言うと、
C:「そうか、スイカわりと同じだ」と反応した子どもに皆が納得。

・「柔道」は相手が見えないので、相手がどこにいるのかわからないから、組手と言って相手の身体を掴んで「はい、はじめ」から始まる。「はじめ」と同時にすぐに終わってしまうこともある。
・「自転車」見たことある?二人でこぐが、サングラスをして後ろに乗っている女性は目が見えない。
・これなんだ?「車いすフェンシング」。身体を固定し、上半身だけで戦う。立っている人の車いす版。
C:「しらない」「知らないから、教えてあげます」
C:「清水さんは世界を旅しているの?」
・重量挙げは、止まっているバーを自分の胸に上げる。重さとしっかり…
C:「チョットずつ、重たくなるんだよね」「その通り」「きれいに上げることと上げる形も大事なんです。」
C:「やったことある?」「ない。こんなに重たいのは嫌だな」
・「シッティングバレー」は、お尻をついていなければいけないバレー。守るのもおしりをついていなければいけない。滑るように。
・「馬って、どこをたたくと走るか知っている?」「腹だよ」

<質問コーナーでは>
Q:「この人たちは普段何をしていますか?」
→「普段、会社に勤めています」
「最近、色々な会社で勤めをさせてくれるようになりました。会社に勤めながら、競技をしています」「昔は休めなかったけど、休めるようになったと聞いています」

Q:選手は何人くらいいますか?
→日本の中では500名くらいかな。21種目あるから。手を挙げたからといって出れるというものではない。海外に行くのが大変です。
 
Q:パラリンピックで休んだ人がいたら、どうするのですか?
→当日に病気になることもあります。身体の障害がある人は休む場合も多いです。

Q:世界選手権の数は?
→約50くらいあります。陸上が凄く多いです。

Q:パラリンピックはいつからやっているのですか?
→イギリスから始まり、東京大会が初めて国際大会になったので。60年くらいありますね。
★パラリンピックとパラリンピックの間の大会に出て、成績を稼ぐのが大切なのです。

Q:なぜ、パラリンピックを撮るのですか?
→真央ちゃんみたいに3歳からスケートをやっている人はほとんどいないんです。
途中から障害になった人ばかりで、障害になった時がスタートなんです。

Q:パラリンピックに行くときは、お金がかかるのですか?
→国が出してくれますが、パラリンピックとパラリンピックの間の試合は自分で出すことになります。

Q:カメラマンの仕事で困った話を
  実は…。「みんな言っちゃだめだよ」

パラリンピックで見かけたら「かずじ」と声をかけてください。
この選手を撮らないと二度と撮れないのです。
1時間の授業中に、大事なこと・考えさせられることが盛りだくさん入っていました。