「鎌倉彫」 に挑戦〜6年生〜

2018年10月17日

今から約800年前、源頼朝は鎌倉に幕府を開きました。そして約150年間、鎌倉は日本の中心として栄え、この頃、中国から僧侶によって禅宗(ぜんしゅう)が伝えられ、鎌倉にはお寺がいくつも建てられました。僧侶たちは禅宗とともに中国から美術品も伝え、その中には彫漆(ちょうしつ)といって漆を何百回も塗り重ねて作った器に文様(もんよう)を彫ったものがありました。これはとても美しく、仏像を作るために日本中から集まった仏師(ぶっし)たちは、これを真似してお寺の道具や飾りなどを作りました。これが「鎌倉彫の始まり」と言われています。

6年生が「鎌倉彫」に挑戦しました。事前に鎌倉彫資料館に見学に行き、鎌倉彫の歴史について学習した上で、図工の授業での取り組みです。
鎌倉彫の彫りには彫刻刀を使い、彫り方によって、形や大きさの違う彫刻刀を使い分けていました。
彫りの技法は、
「薬研彫り(やげんぼり)」。模様と模様の間を「薬研」というそうです。彫り方の断面がV字型に。模様を浮かせるために、まわりを低くしていきます。
例えとして、カメの輪郭を薬研で彫ってウサギのからだを浮かすようにし、ススキは「線彫り(せんぼり)」を使うなど、2種類の彫り方を使い分けることを教わりました。三角刀で真ん中に筋を入れ、V字を広げて、小刀のきりだしを持って左手で押しながら前に進む「浮かし彫り」。まわりに三角刀で筋を入れる「線彫り」などの説明も続きます。

「説明する人」と電子黒板のカメラを使って実際に「実演する人」の二人体制で、見本を見せてくださいました。

彫り方を実際に見せながら、
①「自分が」ケガしないように
②「人にも」ケガをさせないように
③夢中になると姿勢が崩れるので、「姿勢のキープも大切なこと」と、集中させる声が聞こえます。

見本を見てから鎌倉彫に初挑戦。姿勢を保ち、最後までよく集中していました。

その頃作られたものは、鎌倉の建長寺、円覚寺、京都の南禅寺、泉涌寺(せんにゅうじ)などに今でも大切に伝えられているとのことです。昭和54年(1979年) 、「伝統的工芸品」として国から指定を受け、現在では美術工芸品として、また高級日常品として広く知られている鎌倉彫を体験するいい機会となりました。