えんぴつ

2020年7月3日

 1年生の教室の前を通ると、えんぴつの持ち方の練習をしてました。
 担任の久枝先生の説明を聞きながらえんぴつを持ちます。
 これからずっとえんぴつを正しく持つためのはじめの一歩です。
 「これでいいの?」「先生ーこれは?」の  ″見て見て攻撃”  に、担任の久枝先生は「はいはいはい。」とあっちに行ったりこっちに来たりです。
 大変ですが、これも1年生の担任にならないと味わえない喜びです。
 その子にとって、えんぴつの持ち方を教えてもらうのは一生のうち今だけです。

 僕が初めて1年生の担任をしたときの話です。ひらがなの最初の授業です。

を書きました。
 一つ書き終わったときに、前の方に座っているちょっとやんちゃなNくんが、噛みしめるように言いました。
 「先生、って難しいなあ~!」
 「そうだね、難しいよね~。」

 僕は、今もこのやり取りが忘れられません。
 はじめてのことに立ち会える、こんな幸せなことはありません。
 だから、今この瞬間を大切にしたいのです。