夏の自由な研究

2020年9月10日

 夏休みの自由研究を見て回りました。

 2年生の教室にゴッホの「ひまわり」がありました。描いたTさんに聞いたら本物を見ながら模写したそうです。「本物が目の前にあったので、ドキドキしました。絵の具の上からえんぴつで線を描くのは難しかったけど、絵の具を重ねて塗っていくのが上手くできました。」自分で混色してたくさんの黄色を作り出し画面に塗られていました。僕自身も初めてゴッホの「ひまわり」を見たときのことは、今でも鮮明に覚えています。油絵の具の盛り上がりやペンナイフの動きから、ゴッホの息づかいが聞こえてくるようでした。今、自分の目の前に本物があることが信じられませんでいた。Tさんの「ひまわり」はゴッホの模写ですが、そこには、絵を描くのが大好きなTさんの息づかいがありました。


 5年生の廊下にはKくんの研究が展示されていました。テーマは「バナナで紫外線の正体をあばこう!」です。日焼けを防ぐために、日焼けのしくみや体への影きょうをバナナを使って調べます。バナナにセロハン、アルミホイルを巻き、SPF25+PA++++のファンデーション、SPF50PA++のジェルを着け、バナナの日焼け具合を観察します。バナナを選んだ理由は、「バナナの皮は紫外線をよく吸収するから」だそうです。僕が個人的に注目したのが日焼け止めです。実験の結果SPFが高い方がやはり日焼け対策にはが効果があるようです。ちなみにアルミホイルが一番日焼けを防げるのですが、「アルミホイルを体に巻く訳にはいかないよね。」とKくんと二人で笑い合いました。実験後、バナナは美味しく食べたということです。

 自由研究が面白いのは、子どもが自分の興味を持ったこと、好きなことを徹底的に調べたり作ったりしているところです。僕は校長になってから、「 自分の好きなことで自立できる子 」になってほしいという話をしています。
 卒業生のNさんは、5、6年生の夏休みの自由研究で「天文」のことをテーマに取り組みました。普段の日記も7割は「天文」ことを書くくらい好物でした。もちろん休みのときはプラネタリウムやJAXAに足蹴に通っていました。そして、彼女が中学生の時の話です。ある日、立派に装丁されたファイルを持って、僕のところにやってきました。人工衛星の名称募集に応募したところ、何と自分の案が採用されたというのです。ファイルを開くと、JAXAの証明書がありました。その名も「いろどり」。彼女の夢はロケットの開発者です。