社会と自分たち

2020年12月2日

 5年生の社会科は「日本の工業」の学習を進めています。
 貿易摩擦のことを知ると、物の見方と捉え方を異なった側面から見ることの重要さに気付きます。何事も相手の立場になって考えることはとても大切です。
 貿易摩擦のピーク時に僕は中学生でした。社会の授業で日本車を壊している写真を見たときの驚きは、今も記憶に残っています。

 5年生の授業の中盤は動画を見ながら、これからの自動車について学びました。日本の技術は言うまでもなく世界トップクラスです。自動ブレーキシステムや自動運転システムの動画では、子どもたちから驚きの声があがりました。
 電気自動車が登場すると、「理科と同じだ。」の声が男の子から出ました。ちょうど理科の授業では、乾電池自動車を作っている最中でした。教科を横断した良い気付きです。
 また、環境に優しい車が登場すると、「未来が見えてきた。」とつぶやいた子がいました。素敵な表現です。

 お弁当の時間に再びこのクラスに行き、何のために社会の勉強をするのか?を聞いてみました。すると「将来仕事に就いたときのため」、「生活に困らないため」など、自分に寄せて考えている子がたくさんいました。その中で「社会の周りを知るため」、「社会の巡りを知るため」という広い視野を持った答えも返ってきました。
 僕は子どもたちに、将来は自分の好きなことで自立して社会に飛び出して欲しいと願っています。
 2024年から1万円札の新しい顔になる「日本資本主義の父」と称される渋沢栄一は、次の言葉を残しています。

 ただそれを知っただけでは上手くいかない。
 好きになればその道に向かって進める。
 もしそれを心から楽しむことが出来れば、いかなる困難にもくじけることなく進むことができるのだ。