たいいくだより ~「たいいく表現まつり」を終えて~

2022年10月21日

今年は、2学期のスタートから前日まで天候に悩まされていましたが、予定通り当日を迎え、無事に終えることができました。

練習を始めた頃は、踊りの全体像が見えず、操り人形の様に動く子どもたちの姿があちらこちらに見られます。体育担当の動きに合わせて、どの子も真剣な目つきで踊りを覚えて行きます。

2週間程練習が進むと、自分で意識をしながら踊る様子がみられるようになってきます。更に1週間がたつと、手具を使う学年は、手具の見せ方や細かな動かし方がメキメキと上達し、動きにもキレが出てきます。ここまでは本当にあっという間。体育担当の教員も、子どもに負けず汗をかきながら授業をし、限られた時間の中でベストを尽くします。

9月の後半になると、本番まで2週間となりカウントダウンが始まります。ここからは、いよいよ3クラスそろって大グラウンドで行う実践に近い練習となります。まずは、踊りのポジション確認がメインです。踊り慣れている高学年は、ポジション取りも隊列の確認も比較的スムーズに進みます。ここでの練習が初めての1年生は、担任の先生方も付き添いもあり、子どもたちが安心して初めてに挑戦できる環境の中で、丁寧に踊りの場所を確認していきます。

またこの時期は、3クラスそろって踊りをすることで、やっと全体像が見えるタイミングでもあります。子どもたちにとって、他のクラスの様子が見えることで取り組みへの意識が更に上がってくるタイミングでもあります。しかし、いざそろって踊ると、体育担当の先生の脳内イメージをベースに計算された各学年の踊りも、ここに来てズレが見つかることもあります。そんな時は、全体を見ながら担当の先生を中心に相談しながら調整をしていきます。

今年度、一番の心残りは「表現予行」が実施できなかったことです。「表現予行」は、全学年がそれぞれの取り組んでいる踊りを唯一正面から見合うことができます。互いに刺激しあえるだけでなく、これまでの努力を認め合い、そして気持ちの面でも成長できるきっかけとなります。「表現予行」がなく本番を迎えることは、久しくないことであったと思います。そのため、当日の朝まで私たちには不安がありました。

ただ、その不安は当日の大グラウンドに集まる子どもたちをみて消え去りました。民舞で使用する音源を調整するために流した時に、その場で踊り出す子たちがたくさんいたからです。その中には、自分の踊りだけではなく、他学年の踊りまで踊る子もいました。「これが学園の民舞だ……」いつでもココロとカラダが動き出す、この独特のリズム。2学期からの転入生にはいつも驚かれますが、知らず知らずのうちにしっかりなじんでいます。

振り返ると、直前の天候の悪さに引きずられず、気持ちを強く持って最後までよく踊りきったと感じています。6年生の踊る姿は、後ろ姿しか見ることも見せることもできていませんが、きっと大きな姿が下級生の目に焼き付いていることと思います。

応援してくださったみなさま、ご覧頂いたみなさま、ありがとうございました。

*写真は、大グランド練習が始まった頃のものです。