2023 湘南学園 全学教研
湘南学園では年1回、幼稚園、小学校、中学校高等学校の先生たちが集まって教育研究集会を行っています。
今回は、昨年に続き「90周年を目前にひかえ、100周年を目指す学園にとって、いま、何が必要なのかをしっかり問いなおせる場にすることが必要」と話し合い、その中から、「それぞれのパートの教育実践を、他者の目で見てみるのはどうだろう」という提案が生まれました。
6月末から7月上旬、それぞれのパートの先生たちがお互いのパートを訪問。実際の教育現場を視察しました。そこから見えてきたこと、確かめられたことを踏まえ、ふんわりとした“繋がり”から、より子どもの現実を真ん中に据えた“授業実践と学力づくりの上での繋がり”について考えることとしました。今回の全学教研のテーマは「学園創立90周年・・・いま、あらためて総合学園としての“繋がり”に目を向け、課題を探る」です。
午前のプログラムでは、「互いのパートを訪問してみて気づいたこと」について報告がありました。続いて、小学校の算数教育、中学校高等学校の数学教育についてのレポート発表がありました。そして、その内容を元に、それぞれのパートの先生達で議論を行ったのです。お互いの教育への取り組みについて理解を深める、有意義な話し合いとなりました。
午後のプログラムでは、高遠菜穂子氏による『戦争が与える影響~からだと心に残るトラウマ~』という題での講演が行われました。高遠先生は現在、イラク人道・医療支援活動をされています。2019年より難民・国内避難民を多数受け入れているクルド自治区ドホークで教育支援も行われています。
今回、イラクからインターネットを通じた通信で、話をしてくださいました。戦争の傷がどんな影響を人々に与えるのか、厳しい現実について教えてくれました。私たちがなかなか触れることのない戦争の悲惨な様子をリアルに語ってくださったのです。平和を希求することの大切さを学びました。
本学園の全学教研は、長らく都留文科大学の佐藤隆教授に共同研究者として関わってもらっています。湘南学園の課題について的確な総括の話をしていただき、幕を閉じました。それぞれの持ち場でがんばっている先生たちが、湘南学園の仲間として一緒に学び合うことのできる素敵な時間でした。