2015全校参観日

2015年6月8日

 湘南学園小学校の全校参観日として、全クラスで授業参観が行われました。また、引き渡し訓練も同日に行われました。多数の保護者の方が、参観に来てくださいました。ありがとうございます。子どもたちも、はりきって授業に臨んでいたようです。特に1年生は、おうちの人が来てくれると、とても喜んでいる様子でした。

 さて一般的に、教師が授業を作るときは、子どもたちの伸ばしたい力(知識理解、計算技能、思考力や表現力などなど)を考えてテーマを決めます。そして、その時間内で、子どもたちに「何を考えさせるか」「どのような活動をさせるか」をデザインします。

 では教師は、子どもたちが授業の中で考えを深めていけるよう、どのような働きかけをすると思いますか。この記事をご覧の皆さんは、これまでたくさんの授業を受けたことがあるでしょう。それを思い出しながら、考えてみてください。

 答えは、教材と質問を用意することです。教材とは、国語でいえば「スイミー」のような物語的な文章だったり、算数でいえば例題、社会でいえば実物や写真などです。このような教材を前に、子どもたちと考えを深めていくために質問を用意します。例えば、「このとき主人公はどう感じたと思いますか」というように。ただし、質問とは言わず、発問(はつもん)と言います。これには理由があります。

 考えてみましょう。質問という言葉を辞書でひくと、疑問や理由を問うこと、とのっています。教師が質問をしたときに、質問に答えるのは子どもたち。このとき、質問という言葉では、教師は答えがわからず、子どもたちは答えを知っていることになります。でも、そうではありません。子どもたちが答えをよくわかっていないことを、教師は聞いているのです。

 発問とは、問いを発すること。問いに対する答えは、子どもたちの中に小さなものとしてあるかもしれないし、これから生み出されるかもしれない。教師の予想を超えた価値が生まれることもある。質問ではなくて発問である理由はそこにあります。教師は、問いを子どもたちと考え合いながら、子どもたちの力を育んでいくのです。

 さらに、優れた教材は、子どもたちにより深い洞察をもたらしてくれます。また、授業は多数の子どもたちが参加します。お互いに考えを聞き合いながら、一人ひとり切磋琢磨していきます。教材、問いをなげかける教師、子どもたちと、この三者が出会うのが、授業なのです。

 もちろん、教材と発問の用意の仕方は、授業作りのもっとも難しい点です。発問は、あまりにも簡単すぎてはいけませんし、教材に対してピントが合ったものである必要があります。どのようなものを教室にもたらすのか。そこに教師の専門性があり、日々の研究が大切です。

 ということで、それぞれの教室ではそれぞれの教材と発問によって、子どもたちが活動をしていました。これからも、授業を大切に教職員一同、日々がんばってまいります。