6年生修学旅行 vol.10(2016年度)
最終日まで、たいへんよい天気に恵まれました。
朝ご飯の会場で、お世話になった然林房の皆さんにお礼のごあいさつをしました。出発時には、わざわざ横断幕を掲げて見送って下さいました。
朝一番の目的地は、臨済宗南禅寺にほど近い「南禅寺禅センター」。といっても、光雲寺という立派なお庭のあるお寺です。門に入る前から、「私語厳禁」の張り紙に緊張が走ります。修学旅行の学生や一般の旅行者向けに、座禅の手ほどきをしてくださいます。ご住職からは、まず座り方の説明がありました。半分サイズの座布団の上に座り、片足の甲を反対の足の付け根につけます。これを 「半跏趺坐」(はんかふざ)というそうです。両方の足を組む「結跏趺坐」(けっかふざ)が無理な初心者は、これで十分だそうです。手は自然に体の前に下ろし、両手のひらを軽く重ねて親指を合わせて丸い形を作ります。この姿勢で骨盤がすっと立ち、背骨が自然なS字カーブの形になると言われて、なるほど背筋がシャンとすることが実感できました。あとは自然に前方に視線を落とし、ゆっくり呼吸する回数を数えることに集中すると、心も自然と整うと教えていただきました。自分から警策(きょうさく、バシッと叩いてもらうこと)を求める場合は、ご住職が前を通られた時に合掌してお辞儀をします。背中をバシバシッと4回打ってもらうと、起き上がってまた合掌します。丁寧なレクチャーの後、いよいよ鐘の合図で20分間の座禅が始まり、お堂の中は静寂に包まれました。途中で気が緩んでしまった子には、「真剣に取り組みなさい!」とお叱りの言葉がとびました。その道の達人から、わざわざ叱ってもらったりお説教をしてもらえるというのは、実はたいへんありがたい事で、児童にとっては貴重な修行体験だったと思います。
南禅寺の立派な山門の前で記念写真を撮った後、いよいよ最後の目的地、三十三間堂を目指しました。
バスガイドさんから諸注意を聞いて、長い長いお堂の中でそれぞれ1000体の千手観音とご対面しました。
「あ、風神雷神だ」「すごい数の仏様!」「うわ、髪の毛がヘビの神様がいる」「誰かに似てる?」…口々に驚きの感想を言い合いながら、中央のひときわ大きな千手観音像の前ではみんな神妙に手を合わせていました。
これまでずっとお世話になってきたバスの運転手さん、バスガイドさんとも京都駅前でお別れしました。
京都駅前のホテルで修学旅行最後の昼食をいただき、とうとう京都を出発です。駅のホームに、然林房のおかみさんがわざわざ見送りに来て下さいました。忘れものまで届けてもらって、恐縮でした。車中では、さすがに疲れて眠っている子もいたようです。
あっという間に新横浜に到着。たくさんの保護者の方がお迎えに見えていました。
解散式では、代表の児童が感想を述べ、4日間お世話になった添乗員さん、看護師さんにみんなでお礼を言いました。
四日間、病院に行くような大きなケガや体調不良も無く、全員無事に戻ってこられたことは、まずは大きな成果でした。さらに、それぞれのノートにたくさん書き留められたメモと、フイルムに焼き付けられた風景と、何よりみんなの頭と心に刻まれた思い出が収穫物です。
これからその思い出の数々を、修学旅行記にまとめていく学習が待っています。制作展でどんな作品が並ぶのか、今から楽しみにしたいと思います。