2017年度 雪の学校2

2018年1月17日

越後湯沢駅に近づくと、新幹線の車内からは「うわーっ」という歓声が上がります。一面の雪景色に、子どもたちのテンションも上がります。

越後湯沢駅からほくほく線に乗り換えると、線路上の融雪設備などに気づいて「あ、見て見て!」と声を掛け合っていました。

長い長いトンネルに入ると、電車の天井にプロジェクションマッピングの映像が。風景のない車窓に飽きてしまわないように、とのおもてなしの心づかいでしょうか。かつて陸の孤島と呼ばれていた地域に、難工事のトンネルだらけのほくほく線を、どんな願いをこめて人々が開通させたのか…。まつだい駅付近の会館でほくほく線開通にまつわる展示を見たことがあります。3年に一度の「大地の芸術祭」に合わせて特別に展示されることもあるようなので、機会が合えば、ぜひもう一度おうちの人と訪れてみてください。

まつだい駅では、地元の雪だるま財団の皆さん方が横断幕でお出迎えをしてくださいました。毎年本当にありがたいと頭が下がります。まつだい駅からバスに乗り換えて、峠の温泉「雲海」に到着です。事前のニュースでは、例年以上の大雪とのことで心配していましたが、道路はきれいに除雪されていて、予定時間よりもうんと早く宿に着くことができました。



雲海では、全員で入宿式をおこないました。お世話になる宿の方や、雪だるま財団の方々にご挨拶をしました。2泊の短い間ですが、安全に過ごせるようにと諸注意がありました。特に、雪についてはまったくなじみのない湘南育ちの子どもたちですから、雪は楽しいだけでなく、危険も併せ持つことを念押しされました。

身支度を調えて、「雲海」前の雪の広場で心ゆくまで雪遊びを堪能しました。

これも、事前に地元の皆さんがそり滑りのコースを整備してくださったり、大きな大きな雪のかまくらを準備してくださってはじめて、子どもたちが安全に安心してあそべるのだということを、心に留めてほしいと思います。…とはいえ、子どもたちの遊びっぷりは、気持ちのいいほど。ひたすら雪を投げっこして遊ぶ子、何度も何度もタイヤチューブを引っ張り上げてはキャーキャー悲鳴を上げながらそり滑りのスリルを楽しむ子、雪だるまを作る子、坂を転がり落ちて遊ぶ子、雪山を作る子、などなど…。ひたすら雪と友達と先生とたわむれること、たっぷり1時間半以上も遊んだでしょうか。日が傾きかけたところで、宿に戻って冷えた体を温泉で温めました。

食事係の皆さんがテキパキと手際よく配膳を手伝ったおかげで、時間通りに夕食が始まりました。お昼のお弁当が早かったのと、雪遊びでエネルギー消費が激しかったのか、みんな旺盛な食欲でした。

食事の後、地元の皆さんの協力で、地域に伝わる昔遊びを教えていただきました。

あるグループは、昔は河原でやっていたという石蹴り遊びを、室内でも楽しめるように空きカンとサイコロとお手玉を使った遊びを教えてもらいました。サイコロで出た目の数だけケンパーで空き缶に近づき、足の甲に乗せたお手玉を空きカンめがけて蹴ります。2つとも倒れたら2点、1つだけなら1点。3つのチームで競い合うと、みんな息を切らしてサイコロをリレーして空きカンめがけてお手玉を蹴るのですが、なかなかうまく当たりません。大接戦で大盛り上がりでした。2つめに教えてもらったのは、メンコ遊びのまつだいバージョン。大中小3つのサイズのメンコを取り合うのですが、先生が見本を見せるとパッとメンコがひっくり返って、みんな「おおーっ」と賞賛のまなざし。楽しい時間はあっという間に過ぎていきました。

午後の雪遊びといい、夜の昔遊びといい、身近にある自然や簡単な道具と仲間さえいれば、子どもたちはいくらでも工夫して楽しめることをあらためて教えられました。やはり、子どもは遊びの天才です。

こうした素朴な遊びを、次の世代に繋いでいきたいものです。