5年生「雪の学校」NO.8(2018年度)

2019年1月28日

それぞれのお別れ会を終えると、全員がふるさと会館のホールに集合しました。帰途に着く前の最後のプログラムは、まつだい駅周辺で改めてこの地域の文化や自然について学びます。キョロロの館長さんのお話と、まつだい郷土資料館の見学です。

館長さんのお話は雪の学校で過ごしてきたこの地方の自然環境についてのお話です。

「十日町市は、5万人以上の人が住む町で、世界一の積雪量を誇ります。昔から雪の影響を大きく受けてきました。雪が多くて大変ですが、雪が少なくて大変になることもあるのです。『里山』という言葉があります。人の住む近くにある山のことで、人は山から様々な恵みを得て生活してきました。人と多様な生物が関わり合いながら暮らしています」

「昨日、キョロロの周辺の森を歩きました。この森の多くはブナの木が生えています。ブナは雪がたくさん降っても大丈夫な木です。12月から5月まで根雪が残りますが、ブナの柔らかいという特徴で雪に強いのです。日本の天然林の5%くらいはブナが中心の森林。この地方では、燃料として使ってきました」

そして、後継者の不足などにより、日本で一番おいしいといわれるコシヒカリの生産や、棚田の保全が危機的な状況になっているとのことでした。子どもたちは、これまで4日間で体験してきたことを整理して学ぶことができました。

つづいて、郷土資料館の見学です。郷土資料館は建物自体がこの地域の古民家を移築してきたもの。趣きのある館内には、松代の歴史や文化が具体物たっぷりに展示してありました。古い農機具やわらをつかった防寒具など、子どもたちは興味深げに見てまわりました。また昔遊びのおもちゃや囲炉裏や石油ストーブを前にし、楽しそうにしていました。

この資料館には、「わらぐつの中の神様」の中で出てきた『雪下駄』と『わらぐつをつけてすべるスキー板』が展示されていました。教員もはじめて見たので、驚きました。物語の中に「上品な、くすんだ赤い色のつま皮は、黒いふっさりとした毛皮のふち取りでかざられています。」という文があり、色は違いますがまさしくそのような形をしていました。感動です。

子どもたちは、屋根裏に上がらせてもらったり、みのを着させてもらったり、おもちゃを触らせてもらったりして喜んでいました。生活の様子を見て学ぶことができました。