6年生修学旅行 vol.6(2016年度)
2日目の午後は、奈良公園からスタート。 専門ガイドさんがパワフルかつ面白い語り口で、二月堂、三月堂、校倉造りの高床倉庫とテンポ良く案内してくださいました。
そしていよいよ、東大寺大仏殿の見学です。東大寺の正式な名称が金光明四天王護国寺だというところから説明が始まりました。
極楽にいるという八本足の空想上の蝶の飾り越しに見上げた大仏様。頭と胴体と台座部分のそれぞれの銅の色が微妙に違う理由について、火災に遭って桃山時代、江戸時代と修理を重ねてきた結果だと教えてくれました。近くで見ると頭でっかちに見えるかもしれないけれど、大きな大仏様をしたから見上げたときに、バランスよく見えるように工夫したという「逆遠近法」という手法が使われているのだそうです。
お堂の左側には、筆と巻物を持った広目天像。あらゆる情報に通じて書き留める神様で、「お祈りしておくと、頭が良くなるよ~」と教えてもらって、真剣に手を合わせる人も。反対側にはイケメンの多聞天像。「かっこよくて強い神様なので、四天王のグループから独立してソロ活動もしておられます。ソロ活動の時には毘沙門天という名前で、戦国武将に人気だったのよ~」という解説を聞いて、「あ、知ってる、上杉謙信!!」と気づいた人もいました。
創建当時の大仏殿は、今よりももっと横に大きくて、東大寺全体としては更に左右に高さ70メートルもある七重の塔がそびえ立つ姿であったことを、模型で説明してくれました。「東京タワーもスカイツリーも何にもない奈良時代に、そんなに高い塔が二つも建っていたら、当時はどんなにすごいことだったか想像できるかな?」と問いかけられて、「そりゃあスゴイよな…」と子どもたちも納得した様子でした。二度の焼失を経て、資材不足や資金不足の困難を乗り越え公慶上人らが日本全国に協力を呼びかけて、江戸時代に現在の大仏殿が建てられました。当初の三分の二の規模になったとはいえ、世界最大の木造建造物として世界遺産に登録されている価値ある文化財であることをあらためて実感しました。お盆の3日間と大晦日だけは、大仏様のお顔の前の窓が開かれて、外の中門からまっすぐ大仏様のお顔が拝めるそうです。
大仏殿の外に出たところで、触ってもいい木像「びんずるさん」のエピソードを紹介してくれました。昔むかし、びんずるさんはお釈迦様の弟子であったのですが、ある時失敗をして、「ここから出て行きなさい」と言われて、お堂の外で反省しているそうです。そして罪を許されても、人々の近くで役に立ちたいからと、あえてお堂の外で痛みや苦しみを持つ人々を救おうとされている、だから、足が痛い人はびんずるさんの足をさすり、体の悪いところをさすればそこが良くなるという言い伝えが生まれたそうです。 もう一つ、大仏殿の正面の八角灯籠について、奈良時代に作られた最初の大仏様と同じ銅で作られていて、一度も焼けずにそのまま伝わっている貴重なものであること、音楽や芸術を志す人に御利益があるから、「アイドルやジャニーズを目指している人は拝んでおくといいよ」と教えてもらいました。
ガイドさんとの別れ際には、神様のお使いである奈良公園の鹿との遊び方を教えてもらいました。班ごとに鹿せんべいをあげて触れ合いを楽しみました。たくさんのことを楽しく教えて下さったガイドさんにお礼を言って、奈良公園を後にしました。