5年生「雪の学校」NO.4(2019年度)

2020年1月23日

2日目の朝、外は完璧な白銀の世界というわけではなく、ところどころに土の色もありましたが、霧が立ち込め美しい景色を見せてくれます。子どもたちは朝の仕度をして、朝食を食べました。一日を通し、五感を働かせて活動するためエネルギーを充てんしました。

この日の活動は2つのグループに分かれて行います。1つ目の活動が「わら細工体験」で、もう1つが「スノーシュー体験」です。この記事では、「わら細工体験」を紹介します。

「わら細工体験」では十日町のおじいちゃんおばあちゃんから、わら草履の作り方の手ほどきを受けました。おじいちゃんおばあちゃんたちは、湘南学園小の子どもたちに毎年教えてくださり、引率教員にとっては顔なじみの方々です。子ども達へのレクチャーは洗練され、とてもわかりやすく教えてくださります。ただ、実際に生活の中でわら草履作りをされていた方は、70代以上の方だそうです。だんだんと、わら草履を作れる方が減っているという現実は、いろいろなことを考えさせられます。

子どもたちは、普段触る機会のない「わら」を前に、四苦八苦していましたが、優しい十日町の方々のおかげで無事に完成させることができました。わら草履は、形が不揃いであったり、足のサイズに合っていなかったりします。それでも、子どもたちは嬉しそうに履いていました。

実は乾燥させた稲わらは貴重品。この地域も当然、収穫時はコンバインによる収穫が行われています。コンバインを利用すると稲が破砕されるため、わら草履の材料としては使うことができません。この日のために、手で刈り取った稲を乾燥させるという準備をされているのです。大変ありがたいことです。

おじいちゃんおばあちゃんが小中学生だった頃、草履をはじめ、作業時に履く靴や、近所へでかけるためのサンダル、そしてノルディックスキーをするために板を取り付ける靴をわらでつくったそうです。国語の教科書に「わらぐつの中の神様」という物語があります。その中で、おばあちゃんがスキーをするために「わらぐつ」を使ったら良いよと孫に話す場面がありますが、本当にそのような使い方ができるのです。おじいさんにその話をしてもらうと、子供たちは聞き入っていました。

この「わらぐつの中の神様」という物語、国語の教科書に30年以上掲載されており、保護者の方も読んだことがあるかもしれません。実は、この4月に教科書が改定され、この物語が別の物語に差し替えられます。なくなる理由の一つは、物語の時代背景が子供達や教員の生活と離れ、読みにくくなっているからというもの。いろいろなことを考えさせられます。

早速できたわら草履を履いて、集会所の中を歩き回る子どもたち。とても楽しそうでした。大切な記念の品になりましたね。

*掲載している写真ですが引率の役割分担の都合により、クラスやグループに偏りがあります。ご了承ください。