リトアニア・ポーランドツアー ~10日目~

2026年8月21日

ビリニュスのホテルのロビー。部屋の灯りが暗いので、再集合までの時間をここで過ごします。多くの人がチェックアウトを済ませたホテルのロビーは静かで、頭の整理をしながら文章を書くには最適な場所です。ウェルカムドリンクとして置いてあるアイスティー(日本人の口に合う、いわゆる無糖ストレートティーです。ちなみにクッキーも置いてありますが、満腹ですのでノータッチ…)をお供にしています。
昨日はマイクロバスでカウナスからリトアニアの首都ビリニュスに移動してきました。カウナスが静かな街でしたのでリトアニアは全体的に静かなのであろうと思ってしまっていましたが、ここは賑やかな街です。高層ビルが建ち並び、いくつかの(いくつも???)ショッピングモールがあり、ヤンチャな雰囲気を醸し出す(笑)若者たちがいます。でも治安が悪いという印象はなく、総じて落ち着いた大きな街といった印象です。

 
午前中は日本大使館に表敬訪問しました。日本から大使館に出向している方、日本(語)に興味を持って日本語を勉強して大使館で働くに至ったリトアニア人の方、25年ほど前にリトアニアに移住して大使館で働いている方、3名の方が応対してくださいました。全員で一通りの挨拶をした後、質疑応答のお時間を頂きました。生徒たちからは「立場・立ち位置」に関する質問もあってご迷惑をお掛けしたであろう局面もありましたが、史実・その史実に対する国としての立場・ご自身のお考えをもとに、大使館の方々は本当に丁寧に回答してくださいました。また、その知識の豊富さは圧巻でした。

 
昼食を済ませてから、パネリアイ記念公園というところに行きました。ビリニュスからバスで30~40分ほどの距離にある森で、昔は保養地として人気があったとのことでした。今は…、今は、この地でもおこなわれたホロコーストの悲しみを伝える墓地公園のような地となっています。殺められた人たちの国籍や人種などに応じて慰霊碑(というよりも史実を伝えようとする記念碑という印象を持ちました 記念:おもいを記す)が森全体に配置されています。「博物館化」すべきではないかとの声もあるそうですが、そもそもが墓地としての意味合いを持つ地であることなどから色々と難しいとの話がありました。

 
このツアー中、ずっと漠然とした思いを抱えてきました。それは「戦争(がもたらした帰結)という史実に対する捉え方・認識」が日本とリトアニア・ポーランド(・きっとヨーロッパ諸国)で違うのではないかというものです。戦争を軸とした日本における歴史教育・平和教育は、「戦争はあってはならない。なぜなら人権や日常生活・人の命を奪うことにつながるからだ。そういった社会を創らないよう、全ての人が手を取り合う必要があるのだ。」といったものとなっています。もちろんヨーロッパ諸国でも大切にしている点ではあると思いますが、日本ほどのものではないように感じています。リトアニア人には、他国に占領された過去・独立(国家としての主権を回復)した過去があるという意識があることから、歴史教育や平和教育の軸に「愛国心」というものがあるように感じました。そのことの良し悪しについては僕が言及できるような簡単なものではないので控えますが、Unescoが掲げるような「心の中に平和のとりでを築く」ためには「平和のとりで」の定義が全世界における共通認識となる必要があるということ、そしてそれは極めて難しい課題ではあるものの、全人類が「地球市民」として手を取り合い、乗り越えなくてはならないものであるという理解に至っています。でも、あまりにもテーマが大きすぎて、今の僕には具体的な方法は分かりません。その方法があるとすると、教師としての僕が、次世代を創っていく子どもたちに「解決するのが難しすぎる大きなテーマがあるんだ。一緒に考え続けよう。」と声を掛け続けることくらいでしょうか。

 
このツアー(フィールドワーク)に参加したことで、自分が(ちょっとだけ…)勉強したことのある世界史が、より一層にリアリティを持ったものとして見え始めています。滞在期間は残り数日となりましたが、「生のヨーロッパ」を感じ取り続けます!!!