新・体育祭
湘南学園の体育祭は高2リーダー学年を中心とした「縦割りの活動」が特徴です。
中学1年から高校2年までを5色に分け、様々なオリジナル競技で勝敗を競います。毎年、実行委員が議論を繰り返し、競技の内容からルール、当日のプログラムとその運営まで、すべてを作り上げていきます。5月の連休明けからは「特別時間割」となり、縦割りチームでの練習が始まります。中高一貫だからこそ生まれる「学び」が、ここにはあるのです。





2021年、私たちの初めての体育祭はオンラインでした。出場しない競技は教室で見る形式で、グラウンドに出て全員で声援を送るといった、本来の体育祭らしさはありませんでした。
そして今年、最後の体育祭では、グラウンドからたくさんの声援が沢山聞こえ、ようやく“本当の体育祭”を体感することができました。とても嬉しかったです。
しかし、今年の体育祭には楽しかった思い出だけでなく、苦しくて辛かった記憶もあります。準備期間がとても短く、焦りからミスが重なったり、精神的に追い詰められたりすることが多くありました。GW明けすぐに特別練習が始まり、委員長としてのプレッシャーや、幹部・リーダーを中心とした高校2年生の不安と焦りはとても大きなものでした。
それでも、ここまで高いクオリティの体育祭をつくり上げることができたのは、一緒に頑張ってくれた高2の仲間や実行委員のみんなのおかげです。当日、グラウンドには歓声があふれ、「過去一楽しかった」「もう一回やりたい」などの言葉も多く聞くことが出来て、体育祭の成功を実感できました。
当日の朝、グラウンドで高2の決起集会を開きました。私がみんなに伝えたのはただ一言、「本当に後悔のない体育祭にしよう」。その言葉通り、高校2年生全員が全力で体育祭に取り組んでいる姿を見て、「この学年で体育祭ができて、本当に良かった」と心から思いました。
私は中学1年生の時に初めて体育祭実行委員に入り、中3で幹部になりました。中2のとき、当時の委員長の姿を見て「私もあんな風になりたい」と思ったことが、私のきっかけです。毎年の体育祭が進化していくことにワクワクを感じ、やりがいを持てるようになりました。そして体育祭の裏には“たった1日の本番“のために約1ヶ月もの間全力で頑張っている幹部の皆さんがいることを知りました。
先輩方の“生徒を誰ひとり置いてきぼりにせず、全員が心から楽しめる体育祭を作る“という想いを受け継いだ上で今年は、「学年内で完結せず、縦のつながりを大切にして一致団結する」ことを大きな目標に掲げました。本番当日は歓声が絶えず、熱く盛り上がる一日になりました。
私にとって今年の体育祭は、挑戦と成長の連続でした。
人に頼ることや、悩みを打ち明けることが苦手だった私は、つい一人で抱え込んでしまい、1人で解決し突っ走ってしまうことが多くありました。しかし、体育祭は一人ではつくれないということを、強く実感しました。
実行委員やリーダーの仲間、支えてくれた先生方、「全員が主役になる体育祭をつくる」という共通の思い、そのすべてがあったからこそ、今年の体育祭は成功しました。
体育祭が終わった今でも、体育祭を通して生まれた人間関係が残り続いていたり、「体育祭がきっかけで学校生活が楽しくなった」という声を聞けたりと、たくさんの幸せを感じています。つらかったことよりも、はるかに多くの喜びを得ることができました。
頼りない委員長だったかもしれませんが、最後まで信じてついてきてくれた仲間、そして支えてくれた先生方に心から感謝しています。
この経験は、私にとってかけがえのない成長の一歩になりました。そして最高の思い出になりました。本当にありがとうございました!