イングランドセミナー 2日目

2014年3月25日

 今朝は、子ども達にとっては、初めてのセントジェームズスクールへの登校日です。どの生徒も、期待と不安でいっぱいになりながらイギリスでの最初の夜をホストファミリーと一緒に過ごしたことと思いますが、みんなさわやかな笑顔でそれぞれのステイ先から学校へやって来ました。

 僕達が朝集まった図書室にバディーの生徒達が10数名来てくれて、まずは簡単な自己紹介をして、その後、優しくて素敵な女性の校長先生からのにこやかな歓迎の言葉を戴きました。セントジェームズスクールが、心から湘南学園生を迎え入れてくれていることがとても伝わって来ました。

 ジル先生とアンドリュー先生のEFLの授業に入る前に、セントジェームズスクールの国際交流を担当しているヘレン先生に、校舎見学に連れて行っていただきました。「えっ、ここは公立の学校だよね! 日本の私立よりもきれいで設備が整っているよね!」と学園生の口から驚きの声がもれていました。ヨーロッパの先進国と日本を比較した時、国家予算に占める教育費の割合が断然ヨーロッパの国々が高いということを目の当たりにしました。

 午前中は、オールイングリッシュでのEFL(English as a Foreign Langguage)の授業を受けました。ジル先生は、簡単なゲーム感覚で授業への導入を行い、ペアワークをしながら徐々に英語を使うことに子ども達を引き込んで行ってくれていました。アンドリュー先生のクラスでは、最初にウォーミングアップ的なペーパーテストを行い、子ども達がそのテストを受けている間に、一人一人の生徒とマンツーマンでのインタビューを行っていました。その後は、イギリスのことについての三択のクイズをみんなで解きながら、そのクイズで出てくるトピックについて、少し突っ込んだ興味深い話をしてくれました。1314年は、映画ブレイブハートで有名なスコットランドの英雄ウィリアムウォレスがイングランドをうち負かした記念すべき日ですが、あれから700年後の2014年の9月に、スコットランドでは、イギリスから独立するかどうかの国民投票が行われるそうです。もしその投票で独立が決まれば、今のイギリスの国旗であるユニオンジャックからスコットランドを示す青い部分がなくなるということなので、ユニオンジャックを見られるのは、今年の8月までになるかも知れません。(昔と違って独立を支持する人は多くはないだろうということですが、何だかこの当たりがイギリス人のユーモアの深さを感じますね。)

 午後は、歴史あるエクセターの街へと市内観光に出かけました。古代ローマ人が築いた石垣や、1066年のノルマンコンクエスト依頼のノルマン人の建てた建造物など、イギリスならではの歴史が街の中に垣間見れます。僕達がメインで訪れたエクセター大聖堂でも、大昔のイギリスの富と高度な建築技術や繊細なステンドグラスや大聖堂内の至る部分に掘り巡られた彫刻芸術とキリスト教文化などが、この大聖堂に凝縮されていました。とにかくこのずっしりとした文化と歴史の重量感が印象的でした。

 今日は残念ながら、Enjoy English lovely Weather! の日で、午後は小雨がずっとパラつく寒い日となりました。ここでもまた、日本人とイギリス人との文化と気候の違いを見せつけられました。とにかく、イギリス人は傘をさしません。日本であれば、この雨の中で傘を差していない人は、「かわいそうあの人。傘を家に忘れて来ちゃったんだ。」と誰もが同情するような雨が降っていたのですが、街を歩く人々は、10人中9人は傘を差しておらず、バックの中に折り畳みの傘をちゃんと用意していたにもかかわらず、僕も学園生達も、When in Rome, do as Romans do.「郷に入れば郷に従え」といった具合に、みんな雨の中を濡れながら歩いてしまいました。「アンドリュー先生に、雨降っているのにどうして傘ささないの?」と聞いたのですが、答えは、“I don’t know.”でした。

 こうして、今日も1日のプログラムを終了して、子ども達はホストファミリーのもとへと帰って行きました。今晩は、英語の日記を書いたり、ホストファミリーに英語のクイズを出してそれに答えてもらったりと宿題があります。イングランド2日目ですが、すでに子ども達は英語漬けになっています。