第694回 高2家庭科~幼稚園訪問実習の開始!

2013年6月12日

 幼稚園時代の自分の写真を見るとひやっとします。自分だけポツンと離れて行動したり、他の園児と違う方向を一人で見ていたり、親はそんな自分をどう思って撮っていたのでしょう。幼少時は信州にいました。大きな坂の上にその幼稚園はありました。その坂道だけはくっきりと記憶に残っています。

 

 今日は、湘南学園が幼稚園と小学校も持つ「総合学園」の利点を生かして実施している、独自の体験授業についてご紹介します。
  高校2年生は、全員「家庭基礎」という科目を履修します。年間を通して、家庭生活、子どもの保育、消費者問題などを高校生の視点から学んでいきます。

  湘南学園の幼稚園では、子ども達が力いっぱい遊びや諸活動に取り組むことを基本に「いきいきと生活する子どもを目指す」多彩な保育が展開されています。家庭科の授業時間で、そこへクラス毎に「訪問実習」に出かけるのです。幼稚園の施設や環境、園児たちの生活ぶりを観察し、園児と楽しく遊ぶことをメインとする体験学習です。なつかしい母校の再訪問にあたる生徒達もいます。

 

 「お兄さん」「お姉さん」の到着を楽しみに待つ園児たちに迎えられ、高校生諸君は、園児達の遊びの仲間に入れてもらい、名前を呼びながら童心に帰っていっしょに遊びます。
 “子どもって可愛い!”と改めて気づき、自分が幼かった時代を思い起こすかもしれません。親のせつない気持ちにも気づくはずです。いずれ将来“自分も母親、父親になるんだ”との思いになるかもしれません。その教育的意味にはとても深いものがあると思われます。

 女子は、さすがに子どもの扱いが上手な生徒が多く、母性を発揮する姿に感銘を受けます。男子の姿もとても印象的です。不器用にも懸命に園児たちと関わる姿に、ふだん見られない優しい表情をのぞかせたりします。この保育実習をきっかけに、その後男性保育士を自分の職業として選んだ諸君も何名かいます。

 

 この貴重な保育実習は、春と秋の年2回、予定されています。本日の開始で次々と、どのクラスも2校時に行います。どろんこ遊びや園庭での遊びがあるため、体操服で実習します。めいっぱい実習時間をとるため、朝の登校時に体操服に着替えを済ませて直行します。訪問実習後にはレポートを提出してもらいます。1回目の反省を生かし、より深い課題意識を持って2回目に実習すると認識が深まるとのねらいにもとづいています。

 学園幼稚園の先生方の多大なご協力とサポートを頂いて、長年続けてきたこの保育実習の機会を、これからも大切にしていきたいと思います。