第840回 中学生の心と言葉を豊かに~詩の世界へ

2014年2月20日

この通信でも時々、詩の魅力についてふれてきました。
今日は、中学生にお勧めの詩集の本を紹介します。『中学生に贈りたい心の詩40』(水内喜久雄編著、PHP研究所・2013年10月刊)という本です。

詩は、国語の授業でも取り上げられますが、中学生にとって詩集を手にする機会は少なくないことでしょう。でも、大好きな歌の歌詞にひかれてメモしたり、テレビや電車、お店や街角ですてきな詩に出会って心をひかれた経験のある人は少なくないように思います。
詩は短くてすぐ読めるし、言葉が凝縮されているのでまっすぐに心に響いてくるものです。日本語の素晴らしさに開眼することもあることでしょう。

 

この詩集は、中学時代を生きる若者に読んでほしい、共感、励ましやヒントや再発見に満ちた詩を集めています。親しみやすい珠玉の詩40編が、以下の章に分けて収録されています。まず気楽に読んでみて、いまの自分にぴったりの、心に響く詩をこの中から探してほしいとされています。何度でも読み、音読もしてみようと勧められています。

1.こんな自分でも生きていけるかな ~不安を乗り越えて、生きていこう
2.友だちになってくれるかな ~不思議な出会いを大切に
3.恋 どうしてため息がでるのかな ~あなたは誰を想い浮かべますか?
4.どんな大人になるのかな ~詩を読みながら、生き方を考える
5.なにが待っているのかな ~あなたも、あなたの未来も大丈夫です
6.歌があってよかったな ~言葉の力、歌の力は、すばらしい

谷川俊太郎、まど・みちお、茨木のり子、新川和江など、巨匠達の名作もあれば、「チッチとサリー」のみつはしちかこ、「ちびまるこちゃん」のさくらももこの詩もあります。ゆずやザードの名曲の歌詞も載せられています。巻末に「出典一覧」があるので、この中から気になる詩集を求めることもできます。

 

中学生にはもっと詩を身近に感じてほしいと思います。出会いのときめき、人生の機微、季節の移ろい、街の景色・・・・・・、詩の対象は無限であり、誰もが楽しめ、誰もがトライできるものです。このすてきな入門書をきっかけに新たな世界の扉を開けてくれたらと思われました。