第845回 Nコン2014課題曲に注目 ①

2014年2月26日

Nコン・新しい課題曲の発表。毎年この時期のささやかな楽しみの1つです。
今回はいつもより早く2月23日、NHKのEテレで放映されました。東日本大震災の起きたあの3月、その年の中学の課題曲はflumpoolの『証』でした。歌のメッセージは被災地の中学生達にも深く寄り添い、心いっぱいの合唱を広げました。

 

NHK全国学校音楽コンクール、今年第81回の共通テーマは「勇気」です。
一歩を踏み出したい時に必要な“勇気”。歌うことで“勇気”が出て、歌うことで誰かに“勇気”を届けられるように。そんな願いがこめられたテーマです。小・中・高と新曲を視聴してみて、今年はどの歌も独特の魅力があって、ぜひ紹介したいなと思われました。

 

小学校の部の課題曲は『ゆうき』です。作詞の中川李枝子さんは、『ぐりとぐら』など数多くの絵本の名作を世に送り、日本中の子ども達に愛唱される『となりのトトロ』の『さんぽ』の歌も作詞しています。
17年間保育士として多くの子ども達に接した経験から、どんな子にも勇気や強さがあり、たとえば家族や友達が困った時にその勇気が発揮される姿を見てきたと話されます。どの子もかけがえのない存在だから、生まれたての赤ちゃんをイメージして、長く歌い継がれる子ども賛歌を贈りたいと着手されました。作曲担当の村松崇継氏はジブリの新作『思い出のマーニー』の音楽を担当される方です。小学生がこの歌から元気をもらって明日はまた頑張ろうと勇気が出るように、多くの小学生に届けたい歌ってほしいと語っていました。
・・・・・・ちいさな げんこつを にぎりしめ♪
   ちいさな あしで ちゅうをけり♪
   ちからいっぱい 声をあげ♪
   ゆうきと いっしょに おおきくそだつ♪・・・・・・

 

日本語のひらがなの力を、シンプルに温かく、深く感じさせてくれる歌です。子ども達はきっとこの歌を通じて、自分を肯定し、自分の生命力を感じられるように、後押しされることでしょう。