第2回 桜と晴天のもとで、すばらしい入学式!

2010年4月8日

今日は、待ちに待った、中学校入学式の日です。
192名の、中学1年新入生をお迎えいたしました。
幸いにもひさしぶりに空は晴れ渡り、校舎前に連なる、また近隣の桜の木々は、満開を保ってくれて、最高の日和でした。
アリーナは、本校自慢の大会場です。生徒会の役員諸君が、新入生の着席を誘導し、保護者の皆様は、後ろのロールバックチェアーに座って頂きました。
吹奏楽部の皆さんが、この日のためにとっておきの奏楽を演奏してくれました。来賓には、仲本正夫学園長、小田拓也理事長、辻彰彦PTA会長のご列席をいただきました。
校長式辞、教員紹介に続いて、新入生紹介がありました。
担任の先生が、一人ひとりの名前を読み上げ、返事をしてその場に立ってもらいます。各担任からは、一言メッセージが寄せられました。
在校生歓迎のことばは、中学3年A組の○○くんが、在校生代表として受け持ってくれました。中学時代の厳しさや楽しさ、日々の努力を重ねる中での成長の課題などについて、温かいメッセージを送ってくれました。
新入生あいさつは、1年E組の○○さんが、新入生代表としてスピーチをしてくれました。中学生になったとまどいと決意、学校生活へのさまざまな期待、周 囲の人達やご両親、家族への感謝の気持ちなど、心をこめて語ってくれました。二人ともよく通る声で、堂々とした、素晴らしいスピーチで、感動がこみあげま した。
その後、クラス毎に記念撮影があり、保護者の方々は、学校法人とPTAからの説明を聞いていただいて、各クラスの「クラス開き」で合流していただきました。写真撮影の周辺では、生徒諸君がさっそく自己紹介し合って、友達の輪を広げている、ほほえましい姿がありました。

新入生の皆さん、保護者の皆様の期待に応える教育を、学年スタッフ、全校スタッフ一同で、しっかり進めていこうと、改めて決意した一日でした。
この日の私の挨拶を、最後に載せさせていただきます。

◎ 中学入学式・校長式辞

新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
保護者の皆様、お子様のご入学、誠におめでとうございます。
満開の桜と最高の晴天のもとで、本日の入学式を迎えることができました。
心からお祝い申し上げます。
本年度より校長に就きました、山田 明彦 と申します。
よろしくお願い申し上げます。
本日この中学入学式には、本年度から学園長に就任された、仲本正夫 先生、
また学校法人から、理事長の、小田 拓也 様、
PTAより、PTA会長の、辻 彰彦 様、
以上の皆様方の、ご列席を頂いております。
湘南学園全体を代表して、一同心からお祝い申し上げます。

さて新入生の皆さん、新しい制服に身をつつんだ感じはいかがですか。
今日からいよいよ、中学校生活がスタートします。
ここには男子98名、女子94名、合わせて192名の仲間たちがいます。
湘南学園は、中学高校の6年間一貫教育を行っています。
これから6年後に、この湘南学園の高校を卒業するまでの月日を、
このキャンパスで、ここにいる学年の仲間達と生活していくことになります。
皆さんのお住まいは、神奈川県の全域や東京都の一部にまたがっています。
藤沢や鎌倉、茅ヶ崎など、わりと近所に住んでいて、中には自転車や徒歩で通える人達もいることでしょう。
一方でたとえば、小田原方面や、伊勢原・厚木方面、町田方面、また川崎方面や、逗子・葉山方面などから、電車やバスを乗り継いで、新たな通学を始める人達もいます。本当にいろんな所から、ここに集まっているのです。
皆さん、この出会いを大切にして、新しい生活をスタートしていきましょう。

今日皆さんに、特にお願いしたいことを、3つにまとめてお話しします。
第1番目は、新しい友達の輪、知り合いの輪を広げていくことです。
学園小学校から進学した皆さんは、新しいクラスで何名もの友達を見つけて、不安な中にもホッとしたものを感じたことでしょう。
一方、受験で合格して新たに入学した皆さんは、この時点ではいわば「ひとりぼっち」ですね。期待の一方で、緊張や不安がきっと大きいことでしょう。
でも心配することはありません。日に日に新しい友達ができていきますよ。
先輩達も、皆さんとの出会いを楽しみにしています。
まず同じクラスの隣の人、近くの人、少しさびしそうな人、などに、いろんなかたちで、声を掛け合ってみて下さい。
そのうち、電車でいっしょになれる知り合いも広がることでしょう。
日々の通学もきっと楽しみになっていくはずです。
毎日生活する教室をHRともいいます。HRではともに授業を受け、クラスや学校の行事に取り組みます。時には、クラスで起こった問題を話し合うこともあるでしょう。クラスには、身体の大きな人もいれば、小さな人もいます。
おとなしい人もいれば、元気で少しうるさいくらいの人もいることでしょう。顔がみんな違うように、人間は性格も個性も様々です。
私が中学1年生になったのは、もう今から40年前のことでした。家が引っ越したばかりで、入学した公立の中学には知り合いはひとりもいませんでした。当時 私の身長は135cmしかなく、背の順ではいつも一番前か二番目でした。おまけに小6の後半から頭を丸坊主にしていました。小柄で、頭だけが異様にでっか くて、まるで火星人みたいな男の子でした。
おいおいアイツは誰だ、とずいぶん後ろ指されたことを思い出します。
さて皆さん、特に気をつけて欲しいことは、見かけのいろんな違いを理由にして、他の人を攻撃しないことです。「あいつは変だぜ」とか「あいつはきもい」みたいな悪口は、絶対に慎みましょう。
からかい、おちょくり、悪ふざけ、暴言などが重なって、いじめになったり、
大きなけんかにだって、つながることもありえます。
小学校時代に、いろんな、いやな経験をした人達はいませんか。
また、仲がいいんだからと、つい乱暴なふるまいをしたり、じゃけんにして、相手を傷つけることもおきやすいものです。
「親しき中にも、礼儀あり」という言葉があります。
人と人が接していく上で、気持ちの良いマナーやモラルは大切なものです。
皆さん、どうか心機一転して、まわりの人達を大切にするようにしましょう。お互いに気持ちよく、安心して学校生活を送れるように、心がけましょう。
この先、楽しいクラブ活動や、大きな学校行事も待っています。
先輩達や後輩達とのつながりも、どんどん広がっていくはずです。
また、多くの先生方との出会いも待っています。
この6年間で得る友達や先生とのつながりは、その先大学生や社会人になってから、かけがえのないものになると思います。
この中高の6年間で学ぶのは、勉強だけではもちろんありません。
人間関係の大切さについて、いろんな機会に学んでいって欲しいと思います。

2番目のお願いです。自分から進んで学習する中学生になって下さい。
中学になると、授業を担当する先生は、毎時間変わります。
「算数」は「数学」と名前が変わり、内容が難しくなっていきます。
新たに「英語」も始まります。宿題も、小学校の頃より多くなります。
皆さんは、中学受験へ向かって猛勉強したり、「まとめのテスト」へ向けて総復習をしたり、がんばってきた経験がありますね。
でもそれは、塾での受験指導や、お父さん、お母さんの強いバックアップが
あって、やっと進めてこられた勉強だったと思います。
中学生になったら、自分から進んで、自宅学習にも取り組まなければなりません。中学や高校では、年に何回か、いっぺんにいろんな科目のテストが続く、大きな「定期試験」も行われます。一人ひとりの成績もバッチリと出されて、
皆さんやご両親のもとに報告されることになります。
まず毎日の授業にしっかり集中することです。先生の話をよく聞き、ノートをしっかり取り、指示された作業に積極的に取り組むことです。
そして、宿題や復習にも、ていねいに向かっていきましょう。
特に自分の好きな教科は、好奇心や興味を持って、関係する本を探して読んだり、テレビ番組にも気をつけたりして、世界を広げていって欲しいものです。苦手な教科については、授業に集中するのはもちろんですが、「小さな課題」にていねいに取り組むことがポイントになります。
中学では、ふだんから勉強に取り組んでいるかどうかを見る、「小テスト」や
「単元テスト」などもやや多くなります。でもそれは範囲が決まっています。ある程度時間をかけて準備すれば、満点だって取れる内容です。
ちゃんと準備して、いい結果が出ると、自信につながるものです。
皆さんに呼びかけたいメッセージは、「小さなパーフェクト」です。
パーフェクトとは、完璧にやることを指します。
勉強は、何よりも、一歩一歩地道に積み上げていくことが大切です。
どの教科も、どの科目も、できるだけ「小さなパーフェクト」を心がけて努力を重ね、勉強に自信をつけていって欲しいと願っています。

3番目、最後のお願いです。皆さんには、考える力、感じる力を豊かにして、世の中での視野を広げていって欲しいと願っています。
そのために、いろんな本を、たくさん読んで下さい。
中学生になってぜひ、読書の習慣を確立して欲しいと願っています。
皆さんは、小学校時代にすごく感動したり心に残っている本はありましたか。図書館や図書室へは、よく行きましたか。
この学園の図書室は、皆さんの教室のすぐ近くにあります。ぜひ早めに行ってみて下さい。日当たりが良くて、すごく気持ちのいい、すてきな部屋です。
3万冊以上ものたくさんの本があり、絵本やCD・DVDも置いてあります。
ゆっくり本を読めて、自習もできる、居心地のいいスペースです。
学年でも、毎日10分間の、「朝読書」を行うことを決めています。いずれ、先生から詳しいお話がありますが、それぞれが読みたい好きな本を持ってきて、静かに読むことから、1日の学校生活が始まるようにしたいと思います。
まずお勧めは小説です。中学時代に、日本や世界の素晴らしい名作に親しんで欲しいです。また最近注目された、みずみずしい作品も読んで欲しいものです。
私が、皆さんの時代に読んで、一番心に残った小説を、紹介してみましょう。
日本では、山本有三という作家が書いた、『路傍の石』、世界では、ビクトル=ユーゴーというフランスの作家が書いた、『レ=ミゼラブル』です。
この2冊の名作を知っている人はいますか。
それぞれ主人公は、吾一少年とジャン=バルジャンです。苦しい境遇にまけずに懸命に生きていく姿に、胸を打たれる思いで読んでいったのを思い出します。
もちろん小説だけではありません。たとえば自然や社会や人間の奥深い世界を知る素晴らしい本が、この世の中にはいっぱいあります。図書室にもぞくぞくと入荷しています。私達の人生は、ある意味ではとても短いものです。
良い本をいっぱい読まなければ、もったいない、とさえ思います。
一人ひとりの生活や人生は、限られた幅の中にありますが、本を読むことで、世界がグンと広がるものです。
たとえば、身近な自然にある神秘な仕組みや、広い社会や国ぐにを結びつける様々なつながり、いろんな苦労をしながら力強く生きる人達のことを、読書を通じて、知って欲しいな、と思います。
いい本に出会うと、時には自分の悩みや苦しみについて、ヒントをもらうこともあります。自分だけが悩んでいるのではないことに気づいたり、解決の方向が見えてくることさえ、あるものです。
また、将来の自分の夢も豊かになっていくものです。
大学ではこんな勉強をしてみたい、将来はこんな仕事で頑張ってみたい、こんな人生を送っていきたい、という希望がわいてくるものです。

以上、3つのテーマについてお話ししました。
友達の輪を自分から広げていこう、勉強は自分から積極的に取り組もう、読書にどんどんチャレンジしよう、この3つです。ぜひ心がけて下さいね。
皆さん一人ひとりが、この湘南学園で楽しく充実した生活を送り、ぐんぐんとご成長されることを心から祈って、式辞を終わらせていただきます。