第918回 ポーランド・リトアニア ヒストリーツアー ②

2014年6月21日

昨日のつづきです。今回の歴史ツアーのもう一つの柱は、ポーランドのアウシュビッツ強制収容所を訪問することです。アウシュビッツを通じて「人間」について深く考えることです。

 

最近、各地の図書館などで『アンネの日記』関連の書籍が多数、故意に破損されるという悲しい事件が起きました。『アンネの日記』はホロコーストについて深い理解をするためにも重要な歴史資料の1つです。特に欧州の人びとは、人類史上最悪の出来事の1つであるこの事実を決して忘れず、後世への伝承を決意し、その反省の上に立って平和な外交関係や国際協調に努めようとしています。

アウシュビッツに代表されるホロコースト(ユダヤ人の大量虐殺)の事実を現地を訪れて知ることは、生命、人権、戦争などについて改めて深く考え、学ぶことにつながることでしょう。高校生という若い時期に、凄惨な歴史事実を目の当たりにして「肌で実感する」意義は計り知れないものでしょう。アウシュビッツでは、日本人で唯一の公認ガイドである中谷剛氏に導いて頂き、十分な時間をかけて見学する予定です。

 

さて、このツアーは、以上のような重いテーマを追求するだけではありません。せっかくの渡航ですから、現地の方々との楽しい交流などもいろいろ予定されています。特にリトアニアでは、カウナスにある日本文化サークル「橋」のメンバー(日本語も話すことができます)との交流も組み入れます。「橋」のメンバーの家庭にホームステイをすることも予定されています。

また、保養地として知られるドルスキニンカイでは、長野県に留学経験のある先生が中心となってつくられた、日本について学ぶ小中学生のサークルとの交流も企画しています。ここではスパや森の中のサイクリングなどを楽しむこともできるかもしれません。

他にも、湖上に浮かぶ優美なトラカイ城などの観光なども組む予定です。様々な場面で、現地の方々の親切さや暖かさに直接触れられることでしょう。

ちなみに、このツアーの行程に含まれる予定の「世界遺産」は以下のものです。「ヴィリニュス歴史地区」(リトアニア)、「アウシュヴィッツ・ビルケナウ ~ナチスドイツの強制・絶滅収容所~」、「クラクフ歴史地区」、「ワルシャワ歴史地区」(以上、ポーランド)。
リトアニアでも、ポーランドでも、特に若者の多くは、英語を流暢に話すことができます。母国語を異にする者どうしが英語で会話を交わすという経験も、とても重要なことです。これからの英語学習に対するモチベーションが大いに高まることも期待できます。(明日へつづく)