第933回 私たちが望む未来~人間の幸福 それは持続可能か~

2014年7月9日

7月の前半は、毎年多くの学年の総合学習が、校外施設の訪問も含めた大事なヤマ場を迎えます。中高6年間を通して、社会に生きる様々な人びとと出会って学び、人間観や社会観を深め、将来への生きる意欲を育む系統的な取り組みです。本日は高校2年の総合学習について、今年度前半の取り組みを中心に紹介します。

 

今年度高2のテーマは、「私たちが望む未来~人間の幸福 それは持続可能か」とされています。昨年のテーマである「考えろ!人類“生命はいま”」に続いて、人類が直面する「貧困をなくして持続可能な未来をめざす」という課題に沿って様々な問題の所在を知り、自分達がこれからの世界にどう参加していくべきかを考えることがねらいとなっています。

 

21世紀の入口で国連が開催した「ミレニアム総会」では、「世界の貧困を半減しよう」という目標が掲げられ、「MDGs」と呼ばれる世界的なプログラムが具体化されました。しかしその後の情勢は厳しい局面も多く、2012年の国連「リオ+20」では持続可能な社会をめざすための「SDGs」も結びつけられ、2015年以後の国際的な努力についての方針が深められています。

今回の総合学習は、そうした国際的な動きも参照して、高校生なりに「持続可能な未来のための目標」や「私たちが取り組むべきこと」を議論し提言するように呼びかけられています。

 

本日高2の諸君は、終日の校外フィールドワークに出かけました。サブテーマとして「公平ジェンダー」「雇用」「環境・生物多様性」「食料安全保障」「エネルギー」「教育」の各分野にわたり合計30班に分かれて、県内や都内の訪問先へと向かいました。官公庁・大学などの学校・研究所・企業・NGOやNPOなど一日で2箇所ずつを訪問します。

4月に発足した生徒の総合学習委員会が準備に加わり、導入の講演会、班分け、事前学習、アポ取り、行動計画書の作成を経て今日の訪問を迎えています。

学年の先生方が各地に分散して、朝と帰りの点呼確認の体制がとられ、安全な行動に留意すべく指示がなされています。

 

明日以後、そのまとめを行い、「私たちの提言」を作成し、発表会で学んだ成果をプレゼンする機会が待っています。夏休みには総合学習のテーマを踏まえた個人課題が示される予定です。「私たちが望む未来」を自分達なりに考えて、世界に発信しようという積極的な意思が期待されています。

ご多忙の時間を割いて面会に応じて頂ける、多数の社会人の方々への感謝の気持ちとマナーを大切に、有意義な一日にしてもらいたいです。