第971回 「リフレーミング」により再評価してみる

2014年10月16日

「リフレーミング」という言葉が、最近よく使われるようになりました。

ある枠組み=フレームでとらえている物事を、その枠組みを外して、異なる枠組みで見直してみることを指す単語です。

同じ物事でも人によって見る角度や受け止め方が違うので、別の視点でとらえかえしてみると、たとえば人の短所が長所として受けとめ直せるというように、心理的なカバー・フォローや療法にもつながる視点としてよく推薦されるようになった語句です。

 

たとえばテストの残り時間があと10分あった時、「もう10分しかない」と悲観的に思うか、「まだ10分もある」と楽観的に思うかでは、その後の努力にも影響を与えることでしょう。同じ事を体験しても、人それぞれの価値観(枠組み)で判断するので、そのフレームを取り替えて別の視点から見直すことが奨励されるのです。

人間のコンプレックスの大きな原因として、「性格の自己評価」があります。
自分が嫌な部分を見直してみると、案外前向きに捉え返せることも多いものだと説かれます。いくつかの資料から借りて例をあげてみましょう。

・「消極的な」→「控えめな、周りの人を大切にする」
・「根暗な」→「自分の心の世界を大切にしている」
・「飽きっぽい」→「好奇心旺盛な、興味が広い」
・「意志が弱い」→「柔軟性が高い」
・「面白みがない」→「きまじめな」
・「優柔不断」→「いろんな観点を考慮して考えられる」
・「口下手な」→「うそがつけない、朴訥な」
・「意見が言えない」→「争いを好まない、協調性がある」

リフレーミングは、日常生活の様々な場面で心の平安を保ち、新たな意欲を引き出す上でも有効です。たとえばリストラされて失業した人が、“いまいち”だった仕事を離れて、本当にやりたい新たな仕事に挑戦して就ける良いチャンスではないか!と受けとめられれば、積極的な求職活動にもチャレンジできることでしょう。

自分の例でいうと、高価な物をなくしたショックでふさいだ時に、これも勉強だった、今度は気をつけよう、新しい物を買えるので楽しもう、と気持ちを切り替える経験が何度もありました。おちこむ自分を妻が慰め励ましてくれる時には、いつでもこの「リフレーミング」の視点があったとわかります。

生徒の皆さんにも、つらい時やショックだった時に、こうした枠組みの取り替え、気持ちの切り替えの経験を積んでいってほしいなと思います。