第1005回 見知らぬ街を散歩する楽しさ

2014年11月29日

来週に行われる後期中間試験へ向けて、全校はテスト前の空気につつまれています。

朝の自習会や小テスト、放課後の補習や学習会。教科の先生への質問風景があちこちに見られます。この週末の生徒諸君の健闘を祈るばかりです。

 

今日は街を散歩する楽しさを述べたいと思います。

NHKの『世界ふれあい街歩き』というおしゃれな旅番組があります。世界各地の都市に出かけて、地図を見ながら実際に朝から晩までその街をぶらぶら歩き、住民の暮らしや仕事に出会って交流するという趣向です。気になる都市を視聴するといつか行きたいなと強く思うことがよくあります。

テレビ朝日の『ちい散歩』もかつての人気番組でした。東京近郊のスポットを俳優の地井武男が訪れて散歩し、お店などに立ち寄り交流する地味な設定でしたが、地井さんの水彩画や絵手紙なども味わいがあり、世の中の“散歩ブーム”の火付け役になったようです。

 

個人的に散歩が好きです。休日によく家族を誘ってお気に入りの街やまだ見知らぬ街へ出かけてみます。大きな公園や庶民的な商店街を特に好み、路地裏を廻ってみることもあります。ガイドブックに加えて最近はスマホ情報にも助けられています。

先日は、都内の高円寺をじっくり廻ってみました。同僚の国語の先生に勧められて読んだ、ねじめ正一の小説『高円寺純情商店街』が面白く、知り合いからも一度行ってごらんよと勧められていました。先日NHKの番組で高円寺駅そばの銭湯を舞台にしたドキュメンタリーが放映され、一度行ってみたいねと家族と話していました。

新宿の界隈を楽しんだ後、地下鉄で新高円寺へ行き、商店街を抜けてJR高円寺へ、さらに周辺の商店街や路地裏を散歩してみました。驚くほど個人営業の小さなお店が多く、チェーン店を入れない商店街もありました。年季の入った食堂や喫茶店、洋品店や古着屋など多種多様な店が軒を連ね、昭和レトロの風情がありました。駅の周辺は昔ながらのアパートが多くてマンションはごく少なく、物価は安くて学生や若い世代に人気の理由がよくわかりました。

そこからJR沿いに数キロ歩いて中野駅まで行ってみました。どの駅も夜は居酒屋など活気があり、東京の魅力とパワーを確認する思いでした。一方でこの活気を広く周辺へもっと分散させ、全国各地に賑わいを取り戻したい育てたいなとの思いもよぎりました。

 

このように神奈川県内や東京都内のあちこちに出かけてきました。いまは街路樹の紅葉も迎えてくれるのが嬉しいです。

生徒諸君には、家族と友人とまたはデートでも、おしゃべりしながら馴染みの、または初対面の街を歩いてみてほしいものです。どこで食事を取ろうかのわくわくもセットになります。そうして「街散歩」の素朴な楽しさや様々な発見の面白さに気づいてほしいなと思います。