第1086回 湘南学園中高のグローバル教育 ①

2015年4月23日

「グローバル教育」は、日本の将来の浮沈に関わる重点課題とみなされ、広く世間でも話題を集めています。

文部科学省はその重点校を大学と高校で全国に募集しました。本校は先日、初参加ながら「スーパーグローバルハイスクール」の準拠校にあたる「アソシエイト校」に指定されました。財源的な支援は受けられませんが、全国の指定校や先進校とのつながりができて、関連情報にも接することができます。湘南学園らしいグローバル教育を旺盛に展開する契機として生かしていきたいと考えています。

そこで本校がこの課題についてどのように受けとめ、どんなグローバル教育を進めていこうと考えているのか、数回に分けてお伝えしたいと思います。

 

このテーマについては、国際社会における日本の経済や政治をめぐる状況に対する危機感が反映されています。世界各地に様々な対立や紛争がある一方、新興諸国の経済成長がめざましく、日本の経済力や政治力に停滞や不安もあることが指摘されています。そのため特にグローバル経済を牽引するビジネス・リーダーの輩出が切実に求められているのです。

また世界が抱える環境や貧困の問題を解決し、平和と共存、相互理解と友好を促すリーダーシップも切実に要請されています。そこでは日本の歴史的経験や、様々なジャンルにおける日本人の専門的力量に大いに期待が寄せられています。このままでは地球社会が「持続不可能」になるとの問題意識が広がってもいるのです。「インターナショナル」の視点を越えた、地球規模のサイズの視点や取り組みがどんな分野でも希求されるゆえんです。

 

本校では、そうしたグローバル社会の現実を認識し、日本国内でも国境を越えた舞台でも、様々な人びとと協同して貢献できる実力ある市民の育成を目指します。

「ユネスコスクール」に加盟した際も(2013年12月~)、「持続可能な社会の担い手を育成する」教育=ESDを中心に、特に中高の総合学習や国際交流を海外との連携の中で充実させることを重視しました。これまで長く展開してきた総合学習では、校外フィールドワーク、民泊も追求する研修旅行など社会に生きる様々な人びとと交流しそこから直接に学ぶ機会を大事にしてきました。そして英語圏や近隣諸国との国際教育プログラムを拡充し、海外セミナーや留学生招待の機会を豊かにしてきました。

その蓄積を「ESD」(持続発展教育)の旗のもとに、教科教育とのつながりももっと深めていきたいと考えました。そして次世代の青年達に持続可能な未来への意欲と展望を培おうとするユネスコスクールのネットワークを生かして、関連する「グローバル教育」を本格的に進める構想をかかげました。

 

今回のスーパーグローバルハイスクール(SGHと略称されます)への応募で掲げた本校の構想テーマは、「湘南学園ESDで洞察力と行動力を育むプログラムの開発~保護者・卒業生・地域も参画するユネスコスクールからの挑戦~」という表題です。(明日へつづく)