第1154回 “カタリ場”~高校生の心に火を灯す出会い

2015年9月3日

9月を迎え、高2と高1の2学年で、31日及び2日にキャリア教育の取り組みが相次いで行われました。「NPO法人カタリバ」の皆さんに、出前授業で来園していただき、生徒達はレクチャーやワークショップ、座談会を通じて学びました。今日はこの取り組みを報告したいと思います。

 

「カタリバ」は、首都園の高校生対象の教育支援事業で大きな反響を広げ、大震災後の東北復興事業でも広く注目を集めてきた団体です。

現代日本の若者達について「無気力・無感動・無関心」といった傾向が指摘されます。しかし「カタリバ」の方々は、若者は誰でも心の奥底にあるスイッチが入れば点火する“ホンキ”が眠っていると指摘します。通俗的な大人の言葉に違和感や抵抗感を持ち、「どう生きるか」進路の課題に直面する世代に対して、的確なヒントと励ましを届けたい。自分の意欲とエネルギーを探り出してもらいたい。多様な他者と幅広い人間関係構築の機会を持つきっかけにしてほしい・・・・・・そうした願いにもとづいて、独自のプログラムを築かれてきました。

 

高2と高1の学年会では、大学受験の課題に向き合い、将来の進学進路やその前の文理選択の岐路に直面する生徒達が、幅広い視野から自分の現状と可能性を考え直し、自己肯定感を高めて地道な勉強に向かっていく力を強めて欲しいと願い、今後の様々な指導につなげていくことを展望して、このプログラムを導入しました。本校でほぼ定番の企画となってきています。

カタリバの方々には、事前のアンケート調査を通じて、本校の生徒達の現状を分析して着目すべきポイントをつかみ、ゴールセッティングまでを明示して頂いています。高2では生徒達にとって「ナナメ」の関係にあたる大学生スタッフの経験やアドバイスを通して、親や教員とは異なる角度から進学意識を高めることが主眼です。自分自身が本当に進みたい学問分野や進路の方向を考えることに寄与する「カタリ場」授業が行われました。調べ学習が行われ、行動目標の設定が奨励されました。

高1では、大学生スタッフのトークライブと座談会がメインです。生徒数名と先輩とで班を作るゲームがあり、自己紹介をし、先輩の話を聞きながら移動し、座談会を重ねていきます。最後にはこれからの自分の行動目標を発表します。もやもやしていた悩みや願いを言語化し、仲間と共に新たな一歩を踏み出すエネルギーを蓄えるきっかけになることが期待されています。

広く話題を集めている教育支援プログラムであり、在校生諸君がどう参加して意欲を高めたかを注目します。生徒諸君がどんな学びをして、今後にどうつなげていけるのか、先生方の報告にも注目しています。

※写真は、昨年度以前にアリーナで行われた「カタリバ授業」の場面です。