第1160回 「反抗期」をどう捉えて対応するか ①

2015年9月11日

在校生や受験生の保護者の方々とお話しする機会に、お子様が言うことを聞かないとか、いつも乱暴な言葉を返されてつらい、といった話題に時々接します。
自分自身の学校時代を思い出し、わが息子や娘との関わりはどうだったかも振り返ってみます。広く世間には「反抗期のない」子どももいます。それはそれで大人になってから逆に心配になることもぼんやり理解されることでしょう。そこで今日はこの問題に少しふれてみたいと思います。

 

特に中学生や高校生の時代には、お子様との対応で親として心労の重なる反抗が続くことがよくあります。男子なら「ウルセエ」「クソババア」など悪態をつく、女子なら父親に対してことごとく拒絶の意志を示す、などを例示できます。感情の起伏の激しい時代であり、注意や叱責をすれば倍返しされることもよくあります。時には暴力に及ぶこともあります。“わが子とは思えない”と衝撃を受け、非行や家出をしないかと心配を募らせる親御さんも少なくないでしょう。

安易なことはいえない状況も多々ありませんが、その場は我慢して受容しつつ、コミュニケーションの機会を探るべきケースも多いと思われます。言葉で対峙せず、手紙・メモやメールなど他の方法を使うと有効な時もあります。

 

ふだんからの会話を大事にして、時に聞き役に努めることが何より大切ではないでしょうか。「親」という字は「木に立って見る」というつくりになっています。また、わが子が何かつぶやいたり伝えたりした時には、復唱して「の」をつけて返してあげよう、という指摘があります。「今日さ、やなことあったんだ」なら「やなことあったの?」と促してあげる呼吸です。わが子がそれにつられて更に話を続けていけば、聞いてもらえるだけで気持ちが軽くなり、解決へのヒントが自分で見えてくることもあるものです。(明日へつづく)