第425回 感動につつまれた高校卒業式!

2012年3月13日

今週は晴天がもどって気持ちがいい日々です。昨日と今日は特別時間割に沿って、学園末試験の答案返却・解説が進められています。

土曜日の高校卒業式は、感動にあふれる素晴らしい式典でした。卒業生一人ひとりに卒業証書が授与され、皆出席賞授与は1年間、3年間、6年間と対象者が今回もとても多く、中高6年間皆勤は何と30名もいました。更に小中高12年間皆出席の町村裕香さん、幼小中高14年間皆出席の堀田知佳さんの時にはひときわ盛大な拍手がわきました。我が子達の学校時代を考えてみればこの偉大さにはただ感服するばかりです。快挙をなしとげた本人の努力とご家族のご尽力を思い胸がいっぱいになりました。
在校生代表・高2井内渚紗さんの送辞では、後輩の自分達を入学以来温かく迎えていつも声をかけ指導し、生徒会活動をリードしてくれた先輩方への尊敬と感謝、自分達が担った学校行事の苦労や達成感、今後の先輩達への励ましが語られました。生徒会のリーダー達の間に受け継がれる経験と伝統の重みを感じさせられました。
卒業生代表・友部海渡くんの答辞は、学校行事から日常の学校生活まで6年間全ての積み重ねを経て卒業を迎え、今後も環境の変化の中で「大人になる」事実は間違いないが、ただ流れに乗るのでなく、学園での経験を活かして本当になりたい自分を目指し、自ら環境を社会を構成していく意志を持って進みたい。そのためにこの卒業の区切りを自覚し、新たなスタートラインに立ってこれまでの重みをこめた一歩を踏み出したい、と周囲の全ての人びとへの謝辞とともに力強い決意が表明され、一同に感動を与えてくれました。
例年通り吹奏楽部の演奏と生徒会総務委員会諸君のサポートも受けて、会場を去る卒業生諸君と学年会スタッフを見送って、温かいお祝いの拍手が長く続きました。学年会の先生方の涙も強く印象に残りました。

その後、クラス毎に生徒諸君と保護者の方々も一緒に記念写真の撮影、そして最終のHRがありました。クラブごとの送別会などもいろいろ盛り上がったようで、今年も多数の卒業生諸君がお祝いに来てくれていました。
夜の「卒業を祝う会」も盛大でした。「6年間の思い出」のスライドショーは多彩な編集で、バンドとダンスのパフォーマンスはさすがにハイレベルな熱演でした。受験のため式典には参加できなかった卒業生にも卒業証書がここで授与出来たのは何よりでした。卒業生・保護者の方々と出席した教員達の歓談と写真の輪は夜遅くまで盛り上がりました。保護者の皆様方には、この祝う会も含めてご準備とご参加、ご尽力、誠にありがとうございました。

最後に、卒業式における校長式辞を、今回もご紹介させていただきます。

卒業生の皆さん、ご卒業、おめでとうございます。
保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。
本日の第60回高等学校卒業式には、
学校法人を代表して、理事長の高尾様、
PTAを代表して、PTA会長の辻様、
そして全学を代表して、仲本学園長先生、
以上の方々のご列席を頂いております。謹んでお礼を申し上げます。

卒業生の皆さんと湘南学園との関わりは、6年間、あるいは12年間、14年間の長い年月にわたりました。先ほど皆出席賞の授与を行いましたが、今回も対象者の多いことに驚きました。中高6年間を皆勤した諸君は30名もいて、更に小学校からまた幼稚園から皆勤の人がいて感動いたしました。この冬の指定登校期間に入ってからほぼ毎日登校して受験勉強を続ける諸君が少なくなかった事も印象的でした。
そして大学受験では、卒業生諸君は総じて大変な成果を挙げてくれました。1月のセンター試験には推薦入試で決まっていた人達も含めてほぼ全員が受験しましたし、最後まで粘りぬいて続々と上位難関校に合格する諸君が本当に多かったのです。
まだ全貌はわかりませんが、大学合格の実績ではおそらく過去最高の水準に達しているものと思われます。これはあとに続く後輩諸君に向けて、大きな希望を拡げ、何よりも強い励ましになることは間違いないでしょう。
学年の先生方がずっと掲げていたスローガンは「こだわりの第一志望校」でした。
皆さんはその期待に見事に応えてくれました。お互いに励まし合って頑張ろうといういわば“団体戦”の雰囲気もしっかり育っていたことを感じています。
もちろん、皆さんの現状には様々な違いもあります。第1志望の大学や専門学校に合格した人達と、まだ大事な発表を待つ人達もいますが、一方で今回は届かずに、来年の春へ向けて捲土重来を期すことになった諸君もいます。
この差は現時点ではたしかに大きいものですが、人生はこれからが長い道のりです。この先には、いくつもの重要な人生の岐路が待っています。その節目節目で皆さんそれぞれが気持ちを固めて、自分の進路を選んでいかなければなりません。
一番大切なことは、生涯につながる、揺るぎない幸せを築いていくことです。

東日本大震災の勃発から、明日でちょうど一年になります。
人びとは改めて、日々の生活のかけがえのなさを、また家族や友人や大切な人達との絆のありがたさをかみしめています。また被災地では、突然の過酷な運命にまけずに、新たな仕事と生活の希望を求めて懸命に生きている人達がおおぜいいます。
いま日本と国際社会は、「グローバル化時代」に伴う激しい競争と様々な問題に直面しています。世界経済にも地球環境にも深い危機があります。そして、日本はもはや経済的栄光や安定を誇示できなくなりました。若者達は構造的な就職難に直面し、過剰な「就活」の圧力にさらされています。ありふれるモノに囲まれながら孤独や閉塞感が深まり、「無縁社会」とも呼ばれる様相が広がっているのです。
しかし大震災や原発事故を経て、本当の幸福の尺度や社会の目指すべき新たな方向について、貴重な見直しや問題提起が静かに広がっていることにも気づくはずです。
それはこの約20年ほどの日本と世界の軌跡について、多くの人びとが抱いてきた
不安や疑問にも応え、新しい将来像の構想にも寄与していくことでしょう。
卒業生の皆さん、どうか時代の新しい趨勢や動向にもしっかりと目を向けましょう。その中であなたが輝く場所、自分の能力や持ち味を発揮できるポジションを、これから息長く地道に見つけていきましょう。
自分が選んだ道を、大きな希望を抱いて進んでいくことが、幸福の土台です。

最近、在校生や先生方の間で口コミで広まっている『手紙屋』という本があります。受験や就職に直面する若者達に勇気や展望を届けてくれると話題になっている本です。著者の喜多川泰氏の心に残るメッセージを、いくつか紹介してみましょう。
「人間は逆境の数だけ強くなれる」「どんなつらい出来事も自分を成長させる糧に変えられる。その経験がなければ手に入れられない成功を実現する意志を持ちたい」
こんなメッセージもあります。「人生の目標を持つと必ず壁が現れる。その壁はその人がより良く生きようとする時に必ず現れる。それは自分が頑張ろうとしている証でもあり、あなたが決める生き方に応じて目の前にやってくる」だから一番大切なことは「目の前の課題に対して懸命に力を注いで生きることだ」と説いています。
昨年6月の高3特活で、皆さんは28歳を迎えた学園の先輩達10人を囲む座談会に参加しました。先輩達が現在の仕事と生活にたどり着くまでにどんな遍歴があり、今どんな悩みや願いや生きがいを持って働いているのか、じっくり聞いたり尋ねることができました。いろいろと参考になる貴重な機会だったことと思います。
作家の村上龍氏は、その28歳という年齢を、教育や経済の専門家が職業を決める目安の年齢として考えていると、ある著作で紹介しています。教育を受け、社会に出てしばらく時間が経って、大体28歳位をめどに、自分がどうやって生きていくのか、職業をどうするかの方向性を決めればいい、そして35歳位までにその職業に必要な訓練と経験を積むことになるだろうと提示しています。
もちろん仕事の内容にもよるし、もっと先の年齢で軌道修正や転職の経験をくぐることもあります。でもひとつの目安として参考になる貴重な指摘だと思われます。
皆さん、まずこれから10年間の生活を充実させて、人生を通じての自分の目標をぜひつかんで欲しいと思います。それを持てた時から自分の生活が本当に変わると喜多川氏も説いています。その目標のために日々の暮らしを大切にし始め、確固たる生き方が出来るようになるはずです。
そして人生の岐路を経た後で「これで良かったんだ」という振り返りが出来ることも大切だと思います。進学も就職も、そして結婚もそうです。自分がたどってきた道のりを肯定して統合することは大事なことです。その場を拠点にしてまた新たな夢や目標を持って生きていくことは、幸福を築く道筋だと思います。
つらい時、困難な時には遠くを見ながら、人生の主役であり続けましょう。
人間は希望なしには生きていけませんが、希望は叶わないこともよくあります。
失望に変わったり挫折に直面することもあります。それでも人間はその経験を踏まえて次の希望へと修正していくことができるものです。厳しい体験や試練も糧にしてその分強くなって生きていけるのが、人生の奥深いところです。

卒業生の皆さんはこの湘南学園で、友人や同級生、先輩達や後輩達と力を合わせて様々な活動に取り組み、貴重な経験をいっぱい重ねてきました。生徒諸君が運営の主役となる学校行事、それぞれ目標を持って頑張り続けたクラブ活動、社会に生きる様々な人びとに出会って学んできた特別教育活動。それらも全てこれからの人生において、様々な場面で役に立つはずです。
この春から、または来年春から、皆さんは新しいキャンパスで生活を始めます。
そして数年後には、それぞれが選んだ仕事のステージで、縁あって集まり一緒になった人たちとの新たな出会いを得て、人間関係を拡げていくはずです。
「社会の進歩に貢献する、明朗で実力ある人間」。これが本校の教育目標です。
これからの時代に生きる我々は、みんなで力を合わせ、もっと生命や環境を大切にする、持続可能で温もり
のある社会の再建を進めなければなりません。
皆さんには、どこへ行っても広く周りを見て好奇心を発揮し、自分から進んで声をかけ働きかける積極的な生き方を心がけて欲しいと思います。自分が選んだ舞台で専門性を磨き、学習を忘れずに切磋琢磨しましょう。新たな協力関係を築き広げて、社会の進歩に貢献できる充実した人生を築いて頂きたいと願っています。
どうか皆さんお元気で! 以上で、私からのお祝いの言葉といたします。

※ 明日から年度末の諸会議や進級指導、科目別補習などの日程が続きます。校長通信はお
休みをいただき、次の全員登校日にあたる22日と23日に再開します。