第1330回 湘南学園中学校創立70周年の年にあたって

2017年4月14日

~2017年度 中学校入学式挙行される~

 ようやく春爛漫の季節が到来し、桜満開の空の下、湘南学園中学校第70回入学式が挙行されました。201名の新入生一人ひとりの顔立ちには、ここ鵠沼・松が岡に所在する湘南学園中高6年一貫校での学校生活を送ろうという、大きな期待と少しの不安、そして何よりも強い決意が感じられたとみたのは私だけではなかったのではないでしょうか。
 
 私の式辞は、「新入生の皆さん、6年前のこと、それは東日本大震災・福島第一原発事故が起こった2011年3月11日のことを記憶していますか。」という問いかけから始めました。以来この出来事は、私たちの社会のありよう、生活のありようを根本から問い直すことを課題として投げかけ、社会を支えるエネルギーをどのように生み出すべきか、エネルギーを大量に消費する生活スタイルそのものを見直す必要はないのか、家族や地域の結びつきや街づくりのあり方はどうあるべきか、様々な角度から問いかけがなされ続けていることを話しました。
 
 その上で、新入生の皆さんの3年間が、豊かで実り多いものとなることを願って、3つのことを述べました。
 
 1つは、日々の学びを広く世界と日本の現実と結び合わせ、歴史の流れの中でとらえていくということです。

 2つに、湘南学園の歴史と伝統を受け継ぎ、発展させる一員であるということを常に意識し、そのために湘南学園の「建学の精神」からの学びを大切にするということです。

 そして3つに、さまざまな人との出会いを大切にし、自分とは異なる考え方や個性をもっている人との積極的な交流の中から自分を成長させていくということです。
 
 幼小中高を併せ持つ総合学園である湘南学園は歴史と伝統をもち、そのなかで築かれてきたPTA・同窓会・後援会など「チーム湘南学園」が、絶えず在校生と卒業生への支援をしていただく体制にあります。
 
 この3月の湘南学園高等学校卒業式における卒業生答辞で、「(私たち)生徒と共に、学び、変わる(成長する)教員がこの学園にはいる」と聞いた時の感動には強いものがありました。教員も「教育」される存在であり、成長を遂げていく存在であるということ、それを卒業生が共に喜び合えるというこの湘南学園の意味を改めて理解する機会となりました。

 「学ぶ」ということが新入生の皆さんにとって喜びとなるように、私たち教員も大いに努力し成長することが求められています。その決意を固める場にもなりました。

 皆さんと共に、広く日本と世界をみやり、楽しく、意味ある学びの空間を、ここ湘南学園中学校からつくっていきましょう!