第1365回 講演「情報の海の泳ぎ方」を開催

2018年2月9日

君たちは「フェイクニュース(fake news)」を見破れるか

 トランプ米合衆国大統領が就任1年にあたり、「フェイクニュース大賞」で、トランプ大統領自身がうそとみなした報道をあげてメディアを批判したという報道がされたことを覚えておいでの方も多いのではないでしょうか。

 ではこの「フェイクニュース」とは何か。それは「事実ではない、虚偽・デタラメな内容の情報・報道の総称であり、読み手が真に受けて(事実として受け取り)、ソーシャルメディアなどを通じて広く拡散され、時には世論を動かしたり社会的な混乱を招いたりすることもある」と理解できそうです。
 
 トランプ大統領の1年間は、「ツイッター」による500回以上のつぶやきと、「フェイクニュース」に彩られた印象を持ちますから、思春期の鋭い感性の持ち主であり、SNSを日常的に使っている湘南学園中高の生徒の皆さんの多くも、気になっていたようです。
 
 このタイミングに、日本テレビのご協力をいただき、中学2年生を対象にした「情報の海の泳ぎ方」の講演が開催されたことは、生徒の皆さんの講演への主体的な関わりをより強いものにしました。開始前に、講演者である豊田順子日テレチーフアナウンサーへご挨拶に出向いたところ、湘南学園OBで日テレ客員解説員で医療ジャーナリストの高田和夫氏もおいでいただきました。
 
 講演は、米国の小学校における「フェイクニュース・チャレンジ」の授業の様子を動画でご紹介いただき、こうした授業を通じて、メディアリテラシーの力をつけている様子を伝えていただきました。また「偽造画像」が災害時などに与える社会的混乱などをテンポよく解説していただき、聴いていた生徒の皆さんの目が大きく見開いたままなのが印象的でした。また記者の経験をもつ豊田アナウンサーは、「事実」を確定する重要さを経験を交えて話され、その後「事実」に基づいて「推測・思考」そして「意見」という流れになることの意味を話されました。「事実」の確定が曖昧ななかで、「推測・思考」に移れば、その結果、「意見」はミスリードされるということにつながると。
 
 こうしてあっという間に終了した2時間続きのこの講演は、中2の生徒の皆さんへ「情報の海の泳ぎ方」という高い関心事に対して、大きな示唆をしてくれたのではないでしょうか。ますます「メディアリテラシー」というスキルアップを、世界と日本の現実を通じて、高めかつ深めていく必要性を感じました。