第1385回 有薗和子先生をご紹介

2018年7月13日

本日は、湘南学園中学校高等学校、有薗和子先生をご紹介します。

まずは、プロフィールから。
担当教科:社会(専門は世界史、公民)
担当学年:中学3年生
教員歴33年目
出身地:東京都

今日は、有薗先生の教室を訪問しました。
有薗先生というと、第一に浮かぶ言葉は「情熱」。
思いを込めた熱い語りで授業が展開されていきます。今日は中3公民科の授業でした。テーマは「社会権」。

人が人らしく生きていくには・・・という語りから授業が始まります。

有薗先生の授業には「これを絶対に生徒たちに伝えたい!」というメッセージが込められているので、生徒は有薗先生の表情を見ています。「説明」や「教授」ではなく「語りかけ」なのです。

このように語りかけてくれたら、耳を傾けたくなるな・・・・と思うのです。

有薗先生に「語りかけ」られ、生徒の表情が明るくなり、そして集中していく様子が印象的でした。教室のやわらかな空気の中で、生徒一人ひとりが、のびのびした気持ちで授業に参加しているのです。

社会科の授業を担当する一方で、有薗先生は学校の重要な役割を担っています。
生徒会指導主任という企画委員会のメンバーの一人として毎日忙しく仕事をしています。生徒会には、学校行事を運営するだけではなく、生徒の自治活動を推進するという重要な役割があります。有薗主任の教育スタイルは、とことん生徒と話をする、議論を大切にするというものです。生徒が何を考え、何を見つめているのかをとても尊重しながら向かい合うのです。
生徒は、自分たちの心や未来を見つめてくれる有薗先生から、人としていろいろなものを学んでいると思うのです。

では、有薗先生へのインタビューの内容です。

1.湘南学園の生徒について語ってください。
まず、湘南学園の生徒たちは、「人と繋がりたい」という気持ちを持っていますね。でも、人と繋がるというのは簡単なことではなくて・・「自分の気持ちが相手に伝わらないのではないだろうか?」とか「繋がることによって傷つきたくない」など、繋がることそのものが怖いという面もあるし、そもそもどのようにしたら繋がることができるのか・・・難しいことでもありますよね。
でも、湘南学園の生徒を見ていると、「やっぱり繋がりたい・・・でも・・・」と、戸惑っているところが、どこか人間らしくて・・・。私は生徒たちのそういうところが好きですね。 私が社会科の教師として考える“彼らにつけてもらいたい力”は
「仲間と繋がれる力。そして、少ない情報だけに騙されない力」・・・かな。2.教師になりたての頃はどのようなことに力を入れていましたか?
学級通信をとにかくたくさん書きました。
(学級通信のタイトルは「坂道のぼれ」とか「みつめて未来」などでしたか)
なぜ、学級通信を書いていたのかというと・・・。
まず、学級通信が、自分が担任教師として考えていることや思っていること、伝えたいことなどをオープンにして、生徒に語りかける場だったからです。「自分が心を開いて、自分をさらけ出してオープンにすれば、生徒もきっと心を開いてくれるはず・・・。」と本気で思っていました。若かったなぁ・・・思い出すとちょっとだけ恥ずかしいような気もしますね(笑)。でも、思春期の人たちと向き合うってことはそうことなんじゃないかと思っていました。特に若い時代は「本音を語りぶつかっていくことが大切なんだ」と信じていました。でもそれはとっても難しいことですね。大人だって難しい・・・。3.これからとりくんでいきたいこと。夢は?
憲法26条にある「すべての人が能力に応じて、ひとしく教育を受けられる権利」が実現する社会を作ることですね。

4.生徒に一言伝えるとすればどのようなことを伝えたいですか?
「ほんとうによく頑張って毎日を送ってるね!もう、いまを生きているだけでマルだよ。」
って伝えたいです。

*次回は夏休み明けの9月より再開します。