第297回 野球部の諸君が始めた地域清掃

2011年9月8日

 今日は、最近知って感激した、ある部の取り組みについて紹介します。

 野球部の部員諸君が、最寄りの鵠沼海岸駅から学校までの通学路を、自主的に朝の時間帯で掃除し始めたことを知りました。そこで、野球部のキャプテンを務める高2の長尾浩樹君に会って、その経緯や思いについて話を聞かせてもらいました。彼のポジションはショートです。

 この地域清掃は、夏休み中の練習を経たまとめのミーティングで提案したそうです。野球というスポーツを深めていく上で、特に「気づき」の力を高めていくことが大事だと話し合いました。攻撃でも守備でも、自分のチームや相手のチームの様々な状況や動向をよく見て、「気づき」を発揮してその先のプレイを展開することが大切だよ、と確認し合ったそうです。
 その時「地域清掃」の案が浮かんだそうです。いつもお世話になりご迷惑もかける地域住民の方々に対して学園生として何か、の想いもありました。一方で「ゴミ拾い」には、“そこにあるゴミに気づくかどうか”の集中力が問われます。道を歩いてゴミを拾う中で、野球につながる「気づき」の力を養っていこうと考えたそうです。
 9月の学校再開に合わせて、週に二度は通学路を、一度はグラウンド・校地の周りを掃除し始めました。高2・高1・中3の可能な部員は全員で、始業の30分前から黙々と取り組んでいます。軍手・拾い棒・袋などの用具は部長が率先して用意しています。期末試験の準備期間に入った現在はお休みし、試験後にまた再開します。

 野球部の諸君は、校舎内外のどこで出会っても、いつも最高に爽やかな挨拶をしてくれます。全校ナンバーワンの挨拶力にいつも感心します。
 毎年のオープンキャンパスでは、最寄り駅からの誘導案内で尽力してもらっており、大好評を重ねています。部活動を通してマナーやモラルを磨き、人間力を鍛えていく姿に清々しさを感じます。今回の取り組みにも敬意と感謝の気持ちを表明したいと思います。

 この時期の重点課題として、中学の軟式から高校の硬式に移行する中3部員が、早く新しい球の威力やバウンドやリスクを理解して練習を軌道に乗せる事があるそうです。また次の高1部員には、中学も含む大所帯をまとめて来年度を目指す自覚を今からしっかり持ってリードして欲しいと語っていました。
 今夏の全国大会予選は初戦突破までもう一歩の激戦でしたが、その後も公式戦や練習試合を数多く重ねています。野球部に、新たな頼もしい伝統が築かれつつあることを強く感じました。

 長尾君の野球観にも心を打たれました。野球を通じて技術はもちろん人間としての様々な成長を促される思いで続けてきた。「チーム全員で動く」野球の奥深さを学んでいる。練習はきつくても、試合は楽しんで思いきりプレーできるチームを引っ張って頑張っていきたいとのことでした。これからの活躍を引き続き応援しています。