第254回 高校2年生~学園幼稚園で家庭科の保育実習

2011年6月1日

 今日から6月です。すぐ思いつく「June Bride」という言葉は日本の社会には合わないかもしれませんが、 6月は筆者にとって誕生月で少し思い入れがあります。6月の楽しみを指折り数えてみたりします。

 さて今日は、湘南学園中高が「総合学園」の利点を生かして毎年実施している、独自の体験授業についてご紹介します。
 高校2年生は、全員「家庭基礎」という科目を履修します。年間を通して、家庭生活、子どもの保育、消費者問題などを 高校生の視点から学んでいきます。
 湘南学園には幼稚園もあります。子ども達が自らの課題を自覚して力いっぱい遊びや活動に取り組むことを大切に、 「いきいきと生活する子どもを目指す」多彩な保育が展開されています。
 その学園幼稚園へ、高2の生徒達は、家庭科の授業時間に、クラス毎に「訪問実習」に出かけます。幼稚園の施設や 環境を観察し、園児の生活を観察し、園児と楽しく遊ぶのです。訪問後はレポートを提出します。いまこの保育自習の ラウンドの真っ最中です。なつかしい再訪問にあたる諸君もいます。
 この保育実習では、お兄さん、お姉さんの到着を楽しみに待つ園児達に迎えられて、高校生諸君が新鮮な体験をします。 年少児から年長児達の遊びの仲間に入れてもらい、園児の名前を呼び、童心に帰っていっしょに遊びます。
 “子どもって可愛い!”と改めて気づき、自分も通ってきた幼児の時代を思いおこすかもしれません。 また親の気持ちにも気づくはずです。そしていずれ将来に“自分も母親、父親になるんだ”との思いを はせることでしょう。その教育的意味にはとても深いものがあるのです。
 女子の生徒達は、さすがに子どもの扱いが上手なことも多く、いわば母性を発揮する姿には感銘を受けます。 さらに男子の生徒達の姿にも強いインパクトがあります。照れながらも不器用に懸命に園児達と関わろうとする姿に、 ふだんないような優しい表情が見えたりもします。実際にこの保育実習をきっかけに、男性保育士を自分の職業として 選んだ諸君も何名かいるほどです。
 この貴重な保育実習は、秋にもう一回、第2ラウンドを実施します。1回目の反省を生かし、より深い問題意識を 持って実習すると、考え方や認識が豊かになるというねらいに基づいています。
 学園幼稚園の先生方の多大なご協力とサポートを頂いて、長年続けてきたこの保育実習を、これからも大切にして いきたいと思います。