第1449回 通常登校始まる

2020年7月16日

学校の段階的な再開期間を経て、通常登校に戻ったことを機に、この校長通信についても少しずつ更新の機会を増やしていきたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

私はこの4月から湘南学園中高の校長職をおあずかりすることになりましたが、当初はその実感がなかなか持てずにいたというのが正直なところです。それは、校長として生徒の皆さんと顔を合わせる場面がまったくないまま、新年度がスタートしてしまったからです。
通常であれば、まず新入生の皆さんをお迎えする入学式があり、その翌日に在校生を対象とした始業式を実施。新クラス名簿の発表や新たにお迎えした先生方のご紹介等を終えた後、今度は新入生を拍手喝采のなか会場内に招き入れて、生徒会総務委員長から歓迎のことばを贈り在校生全員が学園歌をうたって中1生を歓迎する対面式へと移ります。それら新年度の一連の行事を経て、各学年の学校生活がスタートしていくというのが4月の当たり前の光景でした。
ところが、今年度は入学式を実施するはずだった4月8日の前日に緊急事態宣言が発せられたことで、事態は一変します。まだ新入生の保護者の皆さまには一斉メール配信の登録もお願いできていませんから、入学式の延期を含めて重要なご連絡もHP上でお伝えするよりほかなく、とりあえずお手もとにお届けしたい書類の数々を封入して郵送するなど、その段階でできることを一気に進めて、学校は再び長い休校期間に入っていったのです。

つい3ヶ月ほど前のこととは言え、当時の記憶がややあいまいに感じてしまうほど、その後は長い休校期間が続きました。生徒の皆さんにはインターネットを介した家庭学習(本校ではテレスタディと呼んでいます)を続けていってもらいましたが、不自由な状況の中にもかかわらず、みな本当によく頑張ってくれたと思います。
いま久しぶりに6学年すべての皆さんがキャンパス内を行きかう様子を目にすることができ、当たり前に日々を過ごせることの価値を改めて感じています。東京都内をはじめとした首都圏の感染状況は依然として予断を許しませんが、だからこそこうして皆さんが集い、学びあえる今の状況を大切にしながら、日々の学校生活を過ごしていってもらえたらと願うばかりです。