第556回 中学3年の研修旅行~明日出発です!

2012年11月5日

 中学3年生の研修旅行が、いよいよ明日からスタートします。
 行き先は広島県と山口県です。4泊5日にわたって学年全体がともに体験し、移動する大きな旅行になります。

 研修旅行のパンフレットを見ると、委員の生徒諸君と先生方の意気込みがバンバン伝わってきます。まずその中から「旅行の目的」を引用してみます。
①  “自分たちの生活圏”とは違った地域で生活する人びとに出会い、現地で の体験を通して、その地域の文化や、そこで暮らす人びとの生き方に触れ、「人はどう生きるのか」についても考えられるようになること。
②  「世界で唯一の被爆国である日本」について“ヒロシマ”から学び、戦争の事実を深く知るとともに、被爆者の方々の願いにふれる。
そして「“研修”のテーマ」として、次のテーマが掲げられています。

『持続可能な未来について考えよう』

 単に観光地へ皆で行って想い出をつくるといった次元ではありません。まず平和の尊さを学び、訪問先の地域で独自の体験や交流を重ね、住民の方々の生活と仕事から直接に学ぶことを重視し、生徒諸君の協力や自主性の発揮を大切にしている旅行です。
 今年度の中3研修旅行における、おもな行動スケジュールを紹介します。
 ◎広島平和公園~被曝体験証言、原爆資料館見学
 ◎宮島における班別自由行動
 ◎長島田ノ浦における生物多様性・瀬戸内の豊かさを知る独自の体験学習
 ◎周防大島など3島のおける民泊~体験プログラム、民泊先での家業体験

 このうち島での体験学習は、「カヌー」「ぽんぷら」「クレープ」「かいもち」「石風呂」「地引き網」「座禅」「茶粥・ジンダ」「武者絵」など、多彩なプログラムが用意されています。生徒たちは希望で分かれて、郷土文化に出会うそれぞれの初体験に挑戦するのです。
 また民泊でお世話になるのは、全部で51軒ものご家庭にわたります。遠くから来島した中学生のために、本当に多大なご協力を寄せて下さいます。
 ご家庭の家業である「畑仕事」「漁業」「調理体験」などのお手伝いをさせて頂きます。島全体を挙げてのご尽力を頂いて、二泊にわたる体験学習と交流を重ねることができるのです。

 この企画は、三年前の中学3年で初実施した島での民泊と体験学習の大きな成果から始まりました。すぐに1泊から2泊へと増加してより深い感動と達成感を得ることができました。今年度も基本路線を継承して計画が組まれています。
 更に今回は、「瀬戸内の自然とその恵みの中で生きる人びとの暮らし方、生き方」についてより深く学ぶために、長島・田ノ浦を訪れます。原発建設計画に直面したこの地域では、対岸にある祝島の住民の方々がこの問題に向き合う中で、自然と共存する島の暮らしと産業、“持続可能な”未来を守ろうと地道な取り組みを続けてきました。今回は船上見学の機会を入れて、その事についても具体的に知って学び、研修テーマの理解を深めようとしています。

 瀬戸内の秋を満喫する旅でもあります。良い天気になるべく恵まれ、学年の全員が健康に安全に行動できて、素晴らしい研修旅行を実現できるように祈っています。