第564回 創立79周年を迎える湘南学園

2012年11月14日

 今日は、第2回入試説明会を実施いたします。昨年度を上回るおおぜいの皆様方にご足労いただける中で、ご期待とご不安に応える充実した説明会になるように精いっぱい努めてまいります。また本日、中学1年生は「学校の日」のイベントで校外に出かけます。
 明日の11月15日は、湘南学園の第79回目の創立記念日にあたります。今年度も休校の扱いとなります。

 1933年(昭和8年)に湘南学園は誕生しました。世界大恐慌の影響が国際社会を直撃し、深刻な不景気、失業や倒産が世界各国に広がっていました。ドイツではナチス政権が成立し、日本は二年前に満州事変を起こしてこの年に国際連盟を脱退しました。次の世界大戦へと向かっていた時代でした。
 この地域在住の住民や有識者の方々が、軍国主義の風潮に心配を強め、わが子どもたちのためにと、湘南学園を建学されました。まず小学校と幼稚園が設けられ、大戦後には中学校と高等学校が設立されて、総合学園となりました。その後長い年月を経て、中学高校の一貫教育の体制が確立されてからはもう十数年が経過しています。
 そして来年の創立80周年へ向けて、全学の記念事業を具体化する「チーム湘南学園」の協議が進められ、来年度の記念事業の詳細が具体化されつつあります。記念イベントや記念館建設などの内容は追って紹介させていただきます。

 湘南学園の建学の精神は、第4代学園長の大久保満彦先生が明確に表現され、その後本校の教育理念を表現するテーゼとなりました。
 

  個性豊かに、身体健全、気品高く、明朗で実力があり、
    社会の進歩に貢献できる、有為な人間の育成

 第8代学園長の藤岡貞彦先生は、この建学の精神を踏まえて、更に21世紀のグローバル時代を踏まえた中高教育の課題について、
          世界に通じる、良識ある市民の育成
という視点を提唱されました。

 特に本校の総合学習=特別教育活動は、建学の精神に沿って20年以上追究してきた独自の取り組みです。世界を見渡すと、国際的な課題が山積しています。国際経済ではむき出しのグローバル競争の規制が困難であり、新たな貧困や格差が広がり、人間の生命や生活が脅かされています。生物多様性や地球環境がいたるところで深い危機に直面したままです。諸民族の相互理解や友好交流は、ジグザグを繰り返しつつもより深い段階へ前進していると信じたいものです。日本の社会は、東日本大震災の体験を経てこれまでの生活や価値観を見直しつつあり、さまざまな人びとの懸命の努力や模索が続けられています。

 生徒諸君には、湘南学園の中高6年間のステージで、地道に学習に取り組むとともに、豊かな体験や交流を重ねて、元気で大学生、そして社会人へと歩み出て、それぞれの確固とした幸福を築いて欲しいと願うものです。
 湘南学園の建学の精神は、現在の日本と国際社会の状況に照らして、ますます的確に普遍的な光を発していると考えています。このメッセージを日々の教育のしごとと結びつけて深め、共有していくことは、湘南学園のスクールアイデンティティを確立していく上で欠かせないことだと認識しています。