第607回 郷土・ふるさとへの誇りの気持ち

2013年1月23日

 私もこの間しんどい風邪にかかってしまいました。ようやく快方に向かって今日を迎えましたが、健康のありがたみを痛感しています。

 今日は、あるTV番組を話題にさせて頂きます。『秘密のケンミンSHOW』~ご存じでしょう。日テレ系の人気番組で、筆者も時々観ることがあります。
 全国都道府県の特定の地域で行われている独自の行事や習慣を紹介するのが基本の内容です。多数の有名タレントが出身地別に出演し、司会の「みのもんた&久本雅美」の絶妙なトークのもとで、「カミングアウト」=秘密の暴露がなされていきます。
 ええっ!と驚く風習や食文化が紹介され、一部はスタジオに持ち込まれます。面白いミニコーナーも多く、特に“大阪府民の振る舞い”シリーズは強烈で、明るく開けっ広げでジョークに富んだ“大阪人”のやりとりに笑いを誘われます。お正月に観た「ヒミツのごちそう」で宮崎県北山間部の「蜂そうめん」の特集は、わが家でも圧倒的な反響を呼びました。

 “日本全国の文化は何て多様でバラエティに富んでいるんだろう!”とこの番組を観て改めて実感します。時間があったら訪れたい全国の地域がいっぱいあるなあと思うのです。四季の変化と山川草木、豊かな自然に恵まれた日本の各地で、人びとが長い年月をかけて暮らしと仕事に工夫を重ねてきた姿を興味深く知るのです。
 『秘密のケンミンSHOW』を観て共感するのは、その地域の住民の人びとが、全国的な「標準」から見ればどんなに特異なものに見えても、その文化に愛着と誇りを持っていることです。近代化や産業化のもとで全国の文化がどんどん均一化されていく流れに抗して、地域固有の伝統ある文化が保たれることは貴重で大事なことなのだと、家族で笑いをもらいながらも気づかされることに、この番組の価値があるのではないでしょうか。

 私は信州で生まれ、幼稚園まで伊那、小学校時代は松本で育ちました。自分自身が体験して番組で採り上げられそうな題材は、県南部で特に顕著な「昆虫食」文化だと思われます。小6始めに東京へ移住して以後、この話題に少し触れると“ぎょっ”とされることが何度かありました。「いなごの佃煮をよく食べた」レベルならば受け入れてもらえましたが。・・・・・・庭や近所にいっぱい生えたセリやミョウガ、郊外に摘みに行ったノビルなどをよく食べたのも地域性がありそうです。大きな養蚕場やエンマコオロギなど昆虫がものすごく多かったのも印象深いですが、地域の専売特許ではなかったかもしれません。それでも少年時代の地域の想い出は濃くて、遠い郷愁の中にも誇りの気持ちにつつまれています。

 さて、いよいよ合唱コンクールの前日になりました。風邪やインフルエンザにかかった生徒諸君も出ていて、心配が募るところもあります。
 治って元気に参加できる生徒たちがひとりでも増えますように、祈りながら明日の本番を迎えます。