東北被災地視察 2日目

2018年7月20日

3月25日

この日は、一日中福興市の手伝いをしました。
福興市とは、月に一度開かれる、南三陸町で海産物を売る市場です。
私はわかめの詰め放題のブースの手伝いをしていました。
この「福興」の字には、「復興するだけでなく、市を通して幸福になる」という意味が込められているそうです。わかめだけでなく牡蠣やほたて、練り物といった海産物が、さまざまな形で販売されていました。


福興市は、震災があった次の4月からほぼ毎月開催されてきました。最初の福興市は電気も水もなく、他県の企業の支援で開催できたそうです。しかし、「この人は生きていた」「あの人も無事だった」と、地域の人々で直接安否の確認ができ、みんながとても嬉しそうだったので、これは続けた方が良い、ということで今まで続けられ、今回で77回目でした。やはり77回目も、笑顔で溢れていました。
普段の、地域の人々の繋がりがあってこその1回目。その1回目があってこそ、77回まで開催できたのだと思います。これからもずっと続いていってほしいです。

当たり前だと思っていた日常が、突然、目の前で全て流されてしまったら、と考えると恐ろしいですよね。
自分ならどうするんだろう。もう立ち上がるのは不可能かもしれません。
ところが、それから1ヶ月しか経っていない状況で、この福興市は開催されているのです。ほんとうに素晴らしいことだと思います。

震災の後の最悪の状況の中で、最善の道を進んでいった南三陸。みんながみんな立ち上がれた訳ではないと思うのです。しかし、立ち上がろうと声を上げる人がいれば、地域の人々の繋がりがそれを広げてくれます。今の福興市での人々の笑顔は、その上に成り立っているのかもしれないな、私はそう思いました。

2日目はここで終わりです。
ここまで読んで下さってありがとうございます!
3日目も是非ご覧ください。

(文・写真 長嶋涼太)