中3オーストラリア研修旅行5日目の報告その1

2025年11月13日

今日は、オーストラリア研修旅行のメインイベントである学校訪問による現地校の生徒達との国際交流を行いました。A組が Coombabah State High School、B組が Pacific Pines State High School、C組とD組が Ormeau Woods State High School、そして、E組が Sunnybank State High School というそれぞれ公立の中高一貫のセカンダリースクールを訪問しました。このブログでは、A組を受け入れてくれた Coombabah State High School での交流の様子をお伝えさせていただきます。

 まず、学校に着くと、Welcome Meeting の第1弾として、野外のステージにて、Indigenes People(オーストラリアでは、アボリジニの人々)の伝統的なゲストを迎える際の歌や踊りを披露していただきました。

 オーストラリアは、1901年のオーストラリア連邦成立後、「白豪主義(White Australia Policy)」という国策が採用され、アボリジニに対しては、その文化や生活様式を抑圧し、白人社会に強制的に同化させる「同化政策」が強く適用されました。この政策の最も悲劇的な側面の1つが、1950年代頃まで行われた「盗まれた世代(Stolen Generations)」と呼ばれる、アボリジニの子ども達を親から強制的に引き離し、白人家庭や施設で育てるという施策です。しかし、1970年代に入ると、同化政策への非難が高まり、多文化主義への転換が進みました。1973年には法的な移民制限が廃止され、1975年には人種差別禁止法が制定されるなど、アジア系移民を含む多様な民族的背景を持つ人々を受け入れる姿勢が明確になり、アボリジニの権利や文化の保護にも目が向けられるようになりました。そして、そのおよそ30年後の2008年には、当時のラッド首相が、過去の政府による「盗まれた世代」を含む隔離政策に対し、オーストラリア政府として公式に謝罪を行い、アボリジニの人々との「和解」に向けた重要な一歩を踏み出すことになりました。

 現在も、アボリジニの人々は、健康・教育・経済的な面で、主流社会との格差に直面していますが、オーストラリア社会が、こうした Indigenes People を保護し、彼らの文化や言語をしっかりと残していこうという方向に舵を切っており、学校現場や博物館などの文化施設では、アボリジニ文化を知る企画が数多く催されています。私達が訪れた Coombabah State High School での Welcome Meeting で、アボリジニの人々の歌やダンスを通じて私達を迎えてくれたことは、オーストラリアの人々のアボリジニ文化への敬意を払う真摯な姿勢を伺い知ることができた貴重な体験だったと思います。