卒業生からの学びブログ 第1弾

2015年5月14日

当時担任の吉川先生(左)と卒業生の八木さん(右)

 こんにちは。2012年3月に湘南学園を卒業しました、早稲田大学政治経済学部4年の八木夏希です。このような機会をいただき、先生方、読者の皆様に感謝致します。本日は、卒業生の一例として、私が湘南学園で得た学びが大学での学びにどのように繋がっているか、ご紹介させていただきます。

 実は、つい2週間前まで、東アフリカのウガンダに滞在していました。春休みを利用し、ウガンダ人の経営するNGO(非政府組織)にて6週間、ボランティアをしていました。
 この機会に飛び込んだ理由は、途上国の現状を知りたかったからです。ウガンダは、経済規模は日本の10分の1 (2013)、平均寿命は58歳 (2012)、いわゆる「開発途上国」です。しかし、実際にその地に赴き、人々とともに暮らすこと無しに、彼・彼女達のことを真に理解することはできません。だから、渡航に迷いはありませんでした。

 では、いつから貧困問題に興味をもったのか。そう考えると、湘南学園での経験に思い当たります。湘南学園では、学際的・実践的な学びの機会として、「特別教育活動(現在の総合学習)」というカリキュラムがあります。私の視野を大きく広げてくれたのが、高校2年の特別教育活動でした。「国連ミレニアム開発目標(MDGs)」をテーマとし、グループに分かれ調査・発表を行いました。

パイナップルワインを作ります。
ウガンダのパイナップルは本当においしい。


 MDGsとは、国連が掲げる「国際社会が2015年までに達成すべき目標」です。饑餓の撲滅・教育の普及等、国際社会の課題が網羅的に取り上げられています。私は「環境の持続性」チームで、林野庁や麻布大学を訪問し、森林伐採について発表しました。

 これは、私の視線を国際規模の課題へ向けさせる、大きな機会となりました。「貧困問題を軸に、環境問題も、教育の課題も、全部繋がってるんだ!」。高校生ながら、事態の大きさと喫緊性に圧倒されました。同時に、その解決を目指そうとするMDGsの理念に感銘を受けたのを覚えています。

 その後大学で経済学を学ぶなか、「経済的発展に淘汰されない豊かさって何だろう?」という問いが浮かびました。答えを見つけるには、まず現場を知らねばならない。このような経緯で、今回のウガンダ渡航に踏み切ったのでした。

 金銭的には貧しいけれど、素朴な暮らしに感謝して生きる現地の人々は、私に多くのことを教えてくれました。一方で、基礎的な教育・医療へのアクセス不足、環境破壊、雇用不足の厳しい現状も目にしました。

 今後は、「経済的発展に淘汰されない豊かさ」について追求し、将来的には、環境問題・貧困問題の分野で何か打開策を出したいと考えています。高校2年生の特活が、このような形に繋がるとは考えてもみませんでしたが、あの学びがあって本当に良かったです。今後も精進していきます。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

小学生のお家に家庭訪問

NGOの創設者の二人。心から尊敬します。