『子供の読書活動優秀実践校』文部科学大臣表彰を受けました

2020年8月6日

中高図書室の活動が令和2年度『子供の読書活動優秀実践校』として文部科学大臣表彰を受けました。

本校の実践の特色は「生徒主体の図書室運営」です。工夫を凝らした様々な企画を行うだけでなく、新刊本の受け入れ作業や古い本の廃棄、掲示の作成など日々の図書室業務にも生徒が積極的に関わっています。

彼らはひとつ仕事を覚えると「あれもやってみたい!」「こんなことをしてみたらどうかな?」とどんどん意欲的になってくれます。学園生ならではとも言える「自分達の居場所を自分達の手で作り上げる」心意気が評価されたことを、みなで喜び合いました。まだまだ発展途上ではありますが、今後も楽しみながら活動してもらえればと思います。

 

そんな中高図書委員会の昨年度後期の活動についてご紹介します。

まず12月に藤沢のジュンク堂書店さんを訪問し、生徒が図書室に入れる本を選ぶ『選書ツアー』を初めて実施しました。それぞれの担当ジャンルを決めて予算内で本を選ぶという作業はなかなかに難しく、そして思いがけない本との出会いにあふれた、楽しい体験となりました。

  

年末には初の『本のつめ放題』を実施しました。つめ放題というフレーズの楽しさに惹かれたのか、300冊近い本が借りられました。実際にすべて読むことが出来なくても「こんな本を読んだら楽しそう!」という意欲を持つことが、学びの根本なのではないかと思います。

企画班は、新年恒例『名言おみくじ』を作成してくれました。どんな名言を選び、どんなコメントを付けるのか?ふだんからは想像できないほど、大人びた人生訓を語る彼らの姿にいつも驚かされます。年明けには多くの生徒が楽しそうにおみくじをひいていました。中には「今年は受験勉強で忙しくて、初詣に行けなかったから嬉しい」と言う声も…

  

2月には『中高生×未来のためのSDGsMARKET』(横浜)に出展し、『まんがでSDGs』展示企画『翻訳絵本づくり』ワークショップを行いました。

「中高生がSDGsについて理解する糸口として、マンガが活用できるのではないか?」という意見に着想を得たのが、『まんがでSDGs』という企画です。まずアイデアを出し合い候補となるマンガを集め、その中から20冊を選出し、パンフレットを作成しました。学校でマンガを広げ皆で読みまくる、というシチュエーションはわくわくするものでしたが、それをSDGsと結び付けて文章を書かねばならない…となると中々の難問だったようです。「こんな真剣に分析しながらマンガを読んだのは初めて」と頭を抱える生徒もちらほら。苦労のかいあって、SDGsMARKET当日には多くの方にパンフレットを手に取ってもらい、お褒めの言葉をいただくことができました。図書室でも展示コーナーを作り、生徒が自由にマンガを読めるようになっています。

   

『翻訳絵本づくり』ワークショップでは、日本語の絵本にラオス語の翻訳シールを貼るボランティア作業を参加者の方々に体験してもらいました。様々な事情から本が不足している、ラオスの子どもたちのために絵本を送るこのプロジェクトは、学園祭のチャリティ古本市の募金先でもあるNPO「ラオスのこども」が主催しています。自分が作った翻訳絵本には、ラオス語の署名とその場で撮ったチェキ写真を貼り付けてもらい、後日ラオスへ郵送しました。予想以上に多くの方に参加していただくことができ、委員たちも大満足でした。

  

このような外部のイベントに図書委員会が参加するのは初めてのことでしたが、委員だけでなくその友人達、有志の中1や卒業生の協力もあって、ぶじ成功を収めることができました。学年や所属の枠を超えて助けあうことができる「湘南学園らしさ」が、こういった場面でも見えてくるように思います。

 

  

前期の長期休校が明け図書室利用が再開し、中1も徐々に環境に慣れてきたのか、お昼休みに静かに読書する生徒も増えてきました。何かと気疲れの多い時節柄、開放的な図書室でゆったりとリラックスした時間を過ごすのも良いかもしれません。